2017年9月5日火曜日

子どもの議会傍聴制限、撤廃へ 西尾張5市町

<中日新聞より>

蒲郡市議会で六月に小学生が傍聴を拒否された問題を受け、同様の傍聴制限の規則がある西尾張の九市町村のうち少なくとも五市町の議会で、近く制限を撤廃する。いずれも「開かれた議会」を目指す動きで、九月の定例会に合わせて規則を改正する方針。
 中日新聞の調べで、西尾張で小学生以下に傍聴制限の規則がある議会は二十九日現在、江南、北名古屋、清須、津島、あま、愛西の六市と蟹江、大治の二町、飛島村。いずれも、議長の判断で傍聴可能で、実際に拒否をしたケースはない。
 このうち北名古屋、江南、愛西の三市と蟹江、大治の二町は九月の定例会に合わせて制限のある規則を見直す。
 北名古屋市議会は二〇〇六年に制定した規則で「児童及び乳幼児は、傍聴席に入ることができない。ただし、議長の許可を得た場合は、この限りでない」との条文があったが、撤廃する。
 新規則では「傍聴席に入ることができない者」の中に「会議を妨害し、または他人に迷惑を及ぼすと認められる者」と明記。乳幼児が泣きだすと、この条文に該当する場合はある。
 合わせて、傍聴者全員に求めていた氏名、住所の記入も不要とする。新規則は定例会が始まる三十日に施行される。永津正和議長は「大勢の人に傍聴してもらい、開かれた議会にできれば」と話す。
 江南、愛西市、蟹江、大治町の四議会も、子どもの傍聴を制限する部分を規則から削除したり、新たな規則に変えたりする。蟹江町議会は一般傍聴に必要だった氏名、住所、年齢の記載もなくす。
 蟹江町議会の事務局は「時代錯誤の規則。傍聴人の立場に立った議会にしていきたい」。江南市議会議会改革特別委員会の森ケイ子委員長は「せっかく子どもたちが来てくれても、既に本会議が始まっていると議長の許可を取りづらいこともある。開かれた議会に向けて取り組む中で、許可が必要とされるのはふさわしくないと判断した」と話す。
 清須市議会は「特別委員会の中で今後、制限を緩和する方向で議論する」(事務局)という。
 津島、あまの二市と飛島村は現在、規制を見直す予定はない。
 (鈴木あや、秦野ひなた、大野雄一郎)

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