2017年11月26日日曜日

最悪の10年前を乗り越えた松阪市民病院のこれから

<松坂市議のブログより>

最悪に経営が苦しく、応対に対する患者からの評判も最悪だった10年前の状況を乗り越え、すこぶる評判がよく、しかも、8年連続の黒字を計上している、いわば絶頂にある松阪市民病院を、国が叩き始めた。

採算部門である急性期病床(二次救急)を減らしていかなければ、働いても働いても、診療報酬という点数がもらえない時代がもう間もなくやってくる。
厚労省の方針をもとに三重県がベッド数を割り当てる。
人口の割に急性期病床が多いとされる、3つの総合病院がそろう松阪市の医療環境は恵まれすぎているとして、「地域医療構想」という名のもと、二次救急のベッドを削減せよといわれる目標年次は2025年。
3病院のうち、厚生連中央病院、済生会松阪病院も、急性期病床を減らすということは、死活的問題である。知事は、民間医療機関の中央、済生会ではなく、公立病院である市民病院をターゲットに急性期病床の削減を命令する可能性が大きいと、松阪市は想定している。

第4回目の「地域医療構想をふまえた松阪市民病院の在り方検討委員会」は、20日午後5時から、市議会の委員会室で開かれ、雇用不安を募らせる市民病院職員を中心に60人を超える傍聴者があった。

前回までの検討委員会で、3つの基幹病院が存在していくことはありえず、統合の可能性を検討してみてはどうかと、座長(愛知県小牧市民病院管理者)より提案がなされている。

今回、傍聴席にいた市民病院労働組合委員長に、働いている立場から意見があればとマイクを向けられた。

組合委員長は「職場にはいろいろ噂が流れている。職員は不安が先行している。2つ(市民病院と済生会松阪病院)が1つになればという話が出て、職員は不安な状態にある。早急に方針を出さず、慎重であってほしい」と、職員の気持ちを代弁した。

しかし、座長は、「これまでの10年は努力をすれば報われたが、これからは残念ながら、努力をしても点数が出ない。この地域の医療が無くならないようにすることを考えてほしい」と答え、無駄に時間を費やすことなく、済生会松阪病院との統合に向けた検討に入るべきだとした。

市民病院長は、「10年前、叩き売られる(民営化)のが絶対に嫌だった。とにかく頑張り抜いたから、今がある。今、われわれには選択肢がある。明るい未来を描こう。リストラは無いと信じる。ただ、(統合せずに進む)単独は非常に厳しい」と述べた。

済生会松阪病院は、現在、病棟を新築する計画を持っており、済生会独自に新たな経営計画が進む前に、市民病院との経営統合に向けた交渉を進めないと、時機を逃すおそれがあるとしている。済生会病院が新しい病院を建てると、最新の医療機器の導入が図られるなどし、市民病院から相当数の患者の流出を予想しなければならないうえ、人口減少に向かう中、病院として生き残ることが厳しくなると考えられている。

現状では、3病院とも、二次救急を担う急性期病院として生き残りをかけようとしている。
検討委員会はまだ審議を終えてはいないが、市民病院としては済生会松阪病院との経営統合に向けた協議に早急に入るよう方向づけるものとみられる。


http://blog.livedoor.jp/kaiju_matsusaka/archives/52280971.html

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