2016年8月7日日曜日

議会基本条例で何が変わったか(1)

<武蔵野市議のブログより>


初の議会基本条例が施行してから今年で10年。この間、何が変わったのか。課題は何か。これから求められるのは何かをテーマに7月31日に市民と議員の条例づくり交流会議が開かれた。

IMG_8184

 議会基本条例は2006年に北海道栗山町議会が初めて施行した後、三重県議会などが続き、現在では約800の自治体議会で施行されている。国内の自治体議会数を約1800と考えれば、44%の議会で制定され、武蔵野市議会と同じように現在検討されている議会が制定するとなれば過半数を超える議会で制定されることが見込まれている。今や議会の標準装備とも言える条例だ。

IMG_8244 今回のシンポジウムでは、基調講演として広瀬法政大学教授が、2006年にも議会基本条例をテーマに市民と議員の条例づくり交流会議を開催しているが、当時の資料を基にこれまでの議会改革のポイントと課題について話されていた。


■二元代表制と議員の意識

 簡単にまとめてみると、日本の制度は、首長と議員を選ぶ二元代表制を採用している。ふたつの代表機関がそれぞれに自らの役割、責務を認識して互いに機能すること、慣れ合い、あるいは敵対の関係ではなく、緊張感をもって自治体運営にあたることが前提の制度だが、実際にはどうなのか。議会が政策を作り出すことをせずに首長にお願いしているのではないか。

 議会基本条例は、本来の議会の役割は何か、どのように活動するかを明文化し、議会が政策を作ることができることを示すもの。さらに、とかくブラックボックスだった議会に風穴を開け、二元代表制を機能させる大きな改革につながったとされていた。

 しかし、一方で制定しても何も変わらないとの声も少なくない。そこには、制度は作っても、首長中心主義、言い換えれば首長にお願い主義が議員意識に根付いており、ここが変わらないから二元代表制が機能しないのではないか。これは住民も同じなのだろう。そう考えると、議会基本条例を作ることだけがゴールではなく、議員の意識改革が最も大切であることを再認識したものだった。
 

■議会の役割

 良くあることだが、選挙で首長が変わると政策ががらりと変わることがある。有権者も求めているのかもしれないが、それで良いのかの問いかけもあった。首長が変わったら、政策ががらりと変わると議会は何をしていたのか。民意を反映していたのかとなるからだ。

 議会はチェック機関と言う議員は多いが、それだけで良いのか? ということだ。

 議案が提出され、質問はするものの、結果的には賛成多数で可決されていくだけというケースは、武蔵野市議会に限らず多くの議会の実情だろう。これでは首長が全てを考え、決めて、執行していくことになる。議会は何をしているか分からないと多くの人に言われるが、そのことがこの流れに象徴されている大きな課題だ。

 議会基本条例を各地の議会が制定するなかで、真の二元代表制の一翼となる議会になるためこの課題へ議会自らが仕組みを作ってきている議会が出てきている。

 例えば、三重県議会基本条例では議会に付属機関を置き、議会がより調査をできるようにしている。他の議会でも、行政計画を議決対象にする(議会が議決しないと計画が策定できない)など首長任せではなく議会が主導権を握る動きが出てきている。
 さらに、審議をより深めるためには時間が必要となり、年に四回の議会を開催するのではなく、一年中開催する通年議会の制度も広まっている。

 議会基本条例を制定するだけでなく、条例でどのように議会活動をより高めるかが示せている例だ。

IMG_8197■議会は何をするところ

■討論の広場

 この日には、栗山町議会、会津若松市議会、三重県議会から議会改革の実践についての報告もあった。内容については、すでに知っていたことだが、あらためて聞いて印象深かったのは、議会の審議のあり方だった。
 それは、論点・争点を明確に出来ているか、討論の広場となっているかの論点だ。


 討論の広場とは、栗山町議会基本条例に『議会は、その持てる権能を十分に駆使して、自治体事務の立案、決定、執行、評価における論点、争点を広く町民に明らかにする責務を有している。自由かっ達な討議をとおして、これら論点、争点を発見、公開することは討論の広場である議会の第一の使命である』と書かれていることで、議会審議の本質を示している言葉だ。

 知らないことを質問しているようでは、そんなことは知っているよ、とか、電話で聞けと言われてしまい、議会の存在意義を低くしてしまうことになる。どこに問題点があり、選択肢に何があるか。どうすれば、より住民になるのかをその場で明らかにできることになる重要な審議手法だ。このことが示されたうえで議決がされれば、結果に納得する住民が増え、議会の存在意義を高めることになるものだ。

 議会とは何をするところなのかの問に対して答えの一つだろう。議会基本条例の制定や議会改革を進めたことで実現ができているかが、問われていることになる。

(続く)











http://blog.livedoor.jp/go_wild/archives/52466669.html

2016年8月6日土曜日

川口市議会、「議会改革」の推進方法について

川口市議会では、昨年6月3日に開催された議会運営委員会で(従来通り)「議会改革推進委員会」の設置が決まり(若谷委員長、芝崎副委員長)、昨年7月22日から各会派の委員(自民:吉田、公明:松本、共産:金子、川口新風:矢作)でスタートした。
私はいつも委員会室に出向き傍聴しています。
先々週の7月22日に行われた第5回委員会から、委員長は関 裕通委員長に、自民会派委員は稲川委員に交代しました。
検討項目は各会派から提案された項目を順次審議、「意見の一致を見た項目」は、議会運営委員会に報告して決議されます。
意見の一致を見なかった項目は、比較的意見の一致を見やすそうな項目から検討しています。
「議会改革」は重要テーマであり、全員参加の「議会改革特別委員会」を設けて『本来、議会はどうあるべきか』から徹底的に審議して行かねば(スケジュールも決める)真の議会改革は進まないのではと危惧しています。
住民の役に立つ議会への改革(情報共有、住民参加、機能強化など)について真摯に検討して欲しいものです。
尚、第6回議会改革推進委員会は、11月7日(月)10時から開催されます。

2016年8月5日金曜日

所沢市議会初のワールドカフェ

<所沢市民のブログより>


市議会のホームページ、閉会中の日程に「みみ丸カフェ2016」とあった。議会がワールドカフェを開くのであろうと見学にでかけた。

体験的にはワールドカフェは多くの人が集い、オープンな会話をカフェを楽しむように行い、知識や知恵を出しあい、共有していく。さて

31日(日)午後、会場にはおおぜいの若い人が目についた。

西沢広聴広報委員長の挨拶を聞くと、

30人以上の市民(住民と市内学校関係者など)、

・早稲田大学(以下早大)の学生さん13人(カフェの協力者)、

・広聴広報委員会の委員が加わり、

9のテーブルに、夫々6人ほどに分かれて席についていた。

西沢委員長の挨拶に続き、ファシリティターの早大の扇原人間科学院教授(健康情報学、三ヶ島小学校PTA会長、市民医療センター運営委員)がカフェのルールを説明した。

この日のテーマは、「あなたが思う所沢の魅力と自慢できるものは何ですか

話し合いが3ラウンドおこなわれた。

まず自己紹介用に、各人が用意された紙に「名前とカフェに期待すること、今の気持ち、最近うれしかったことなど」を書きこむ。書き終えるとスタート。コーディネーターの学生さんや議員から順に、自己紹介を混ぜて所沢の魅力と自慢を話しあっていく。これが20分ほど。

ついでコーディネーターを残して全員が(元のグループメンバーと重ならないように)指示に従い新しいグループを組んで1回目と同じように話し合う。自分の話をすると同時に1回目のグル-プの会話とは異なる会話を聞く。これも20分ほど。

3回目は、初回の席に戻り、2回目に経験した(全員、初回とは異なる席での異なる会話内容)その会話なども踏まえ再度の話し合いをする。そして参加者が最終的に「自分が思ったこと、気付いたこと」「取り組んできたことの感想など」を夫々数枚の付箋に書き込み、この付箋を、大きな壁の張り紙の(そこには大きなケヤキ~空に伸びる幹と枝の絵が書かれていた)枝々に花びらを貼りつけるように貼って行く。

付箋は読み上げられなかった。

結論はないが、皆がここで会話を共有し、発見と気付きを得て、参加した一人一人が所沢の魅力を再発見し「これから伝える・考える」ヒントになると総括された。これは後に活かしてもらいたい。

市議の皆さんはこのように若い人たちと接するのはめったにないことであり、いまどきの若い人たちにとっても2時間以上スマホを離れて会話の機会になっていた。

市議会は議会改革を進めるなかで、政策立案機能の強化を目的に、早大とパートナーシップ協定を結んだが、市も連携協定を結んでいる。この日のテーマは市がやっても良かったと思うが、議会の方がフットワークが良かったようだ。前・現広聴広報委員長のよきリーダーシップであろう。

帰りに見た、壁に貼られた付箋のごく一部を紹介します。

 あなたが思う所沢の魅力と自慢できるものは何ですか

音楽のまち

狭山茶

充実したこども支援

自然と環境、確立

トトロの森

アピール力、向上

都心も山も近くて住みやすい

魅力とは必要なのか

道の整備

魅力あるまちにしようという本気

航空公園 子どもが楽しめるテーマパークに! 桜・飛行機・もみじ

交通の便が良い

西武線とJRの直通が欲しい

空き店に学生運営の店を作りたい

今日は楽しかった

西武ドーム周辺の活用、観て帰るだけではつまらない

郊外のハブ都市

芸術のまち、下北沢の様に

災害に強いまち

早稲田と芸総につながりを

Welcomeな雰囲気作り

ピクセンとコラボして早稲田で星を見る会

ペットと住みやすいまち

芸術のまちにしていく

都心と同じでなくてもいいかも 

宿泊施設の増設

・・・

2016年8月4日木曜日

7/29 議会改革要望事項を提出しました

<朝霞市議のブログより>

ようやく朝霞市議会も昨年の改選後の議会改革の取り組みが始まります。その改革要望事項、改革の手法に関して、要望を提出せよ、ということになり、29日、提出いたしました。

改革要望事項としては、
・朝霞市が策定する諸計画を議会の議決事項として追加すること
・一般質問の一問一答式の導入と、質問時間制限のカウントは答弁時間を含まないこと。
・討論・採決前の議員間討議の導入
・議案の審議順の変更(請願・陳情条例予算)
・委員長報告に討論内容を掲載すること
・予算審議の情報の充実
・決算審査の情報の充実
・条例審議への逐条解説の提出と、逐条審査を行う。
・議会だよりの独立・議案に関する掲載事項の拡大
・インターネット中継・録画公開の早期化・時期の明確化。
・議会ホームページの充実
・議会としての市民公聴会の開催
・議会図書室の改革
・行政視察の企画・意図の明確化
・政務活動費の報告書・領収証のインターネット公開
・会派結成目的の公開

改革の体制については、全員合意をできるだけ希求すべきで、前任期のときの体制を引き継ぐのが望ましいこととしました。
各会派・議員からも上がってくる議会改革要望事項などを今後整理して、採否を討議していくことになると思います。
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2016/08/729-6416.html

2016年8月3日水曜日

ぜひご参加ください!

<東村山市議のブログより>

今週末に迫った東村山市議会報告会。

当日上映するスライドを、当日お願いする手話通訳の方に予め見ていただいておくために、先ほど議会事務局に「納品」しました。

トップ画面



イントロである「ようこそ!議会報告会へ」、そして「議案と陳情の報告」「政務活動費・議長交際費について」、さらに後半の「意見交換会」の部分を議員数名で手分けして作り上げたものを、実行委員長である私の方でガッチャンコして仕上げた共同制作。

そして、明日朝7時~8時(東村山駅の東西口)と明後日18時~19時(久米川駅の北南口)は、参加可能な議員みんなで駅頭に立ってチラシを配り、参加を呼び掛けます。
同時に、報道各社へに取材依頼文も今回用に手直しして、間もなく一斉配信の予定です。

実際に参加いただく方の数はその時々で蓋を開けてみないとわかりませんし、2日間の開催で40名そこそこから100名を優に超える時までありましたが、こうした取組みを丹念に愚直に重ねることで、リピーターの方を増やし、初めて来ていただく方も増やし、議会への信頼を少しずつでも築くことができたらと願っています。

また、条例と開催要綱に基づいての開催ですので、今後私たち議員がどう入れ替わったとしても継続・発展していくものとなっています。

今回、初日(85日)は、議会基本条例施行から2年間の取組みについてご説明し、率直なご意見をいただくことになっています。
お忙しく、また暑さきびしい時期ですが、どうかお出かけくださいますようお願い申し上げます。
1)85()19時~21時/東村山駅西口サンパルネホール   テーマ「市議会は議会基本条例施行から2年でどう変わった?」
2)86()14時~16時/廻田公民館   テーマ「住み続けたくなるまち・東村山へ」


http://sato-masataka.net/wp/?p=3530

2016年8月2日火曜日

議会としてのアンケートやってます!

<東村山市議のブログより>

DSC_4131
DSC_4132


東村山市議会として2回目となる「市民の皆さんへのアンケート」を昨日から行っています。
816日(火)までの予定です。
市議会HPからお答えいただけるのはもちろんのこと、市内公共施設にアンケート用紙と回収箱を設置すると共に、市議会だより81日号の最終面に記入してそのままFAXいただけるようにもなっています。
ぜひ率直なご意見をお寄せください。
議会だより28年8月号8面

http://sato-masataka.net/wp/?p=3522

2016年8月1日月曜日

忙しい案件:市立保育園の耐震化

<所沢市民のブログより>

27日、市議会の臨時会が開かれた。この時季に急いで何を決めるのだろうと思いながら傍聴に行った。出てきた案件は市立保育園の耐震化設計費1,996万円
 
これは熊本の地震被害を見て市立保育園5園の耐震化を図ろうと云うもの。
 
議案の説明によると、平成2627年に調査を行い、5ヶ所が耐震の強度不足と報告された。市は29年度中にすべての工事を済ませたく、設計に8カ月を要することから急遽議会に審議を求めた。この設計費(原資)はほぼ全額借入金で、国や県の補助はない。
市側の説明後審議が長引く気配となり、途中で帰ってきた。
 
ネット中継で「議案質疑」を聴くと、年内に設計を済ませ、後に続く29年度の工事費用は概算22,900万円。対象の保育園は5ヶ所、いずれも建築基準法の旧基準で建てられた1階建てか2階建ての低層の建物。内1ヶ所が木造だが、今回の耐震工事は安全のためであってどの建物も寿命は伸びない。またこの工事費にも(設計と同様に)国や県の補助はない。
 
工事中は保育園近接の公共施設を代替として使う、予定される施設としては学校・公民館・児童館たが、まだ学校については借りられるかどうかの結論が出ていない。議員の(質問の中に示された)川越市の事例に比べると工事費用はかなり高い
 
委員会審査に移ることになり中継は中断された。午後1150分になって中継が再開されたが、議運長の報告は(会期を明日まで延長する)と云う内容で、議長は28日午前1時に再開すると告げた。
 
結論が分からないまま昨日今日、この結論が新聞に載るかと待っていたがなにも報じられない。先ほど議会事務局に聞くと決まったとのこと。28日未明の本会議で議決されていた。
 
「保育児の安全」と云われると工事は必要と思う。が、提案されて即日の結論を求めるやりかたは唐突感があり説明不足は否めない。なによりも官業の保育施設の耐震に補助金が付かないと云う事は、国に「保育事業は民業」の方針があるのではないか。この辺りを市として議論をしたのだろうか。
 
小学校の耐震は完了している。今回これほど急ぐなら保育園も3.11の後に取り組みを議論しておくべきではなかったか。急ぐと議会の知恵や検証の入る余地がない。他市ではどのようにしているのだろう。
よく分からない話だ。
                                記:さかぐち
 
 
 
http://blogs.yahoo.co.jp/tokocitizen_c14/42756172.html