2014年5月12日月曜日

議員間討議

<松阪市議のブログより>

大型連休明けの7日の午前中、松阪市議会議会改革特別委員会の作業部会があった。前からの懸案だった議員間討議のあり方について少し意見交換した。

議員間討議は、以下のように、平成24年11月施行の議会基本条例の中に次のように位置づけている。

松阪議会基本条例より抜粋

第3条 基本方針
 () 独自の政策立案及び政策提言に積極的に取り組み、市民の視点で議員が十分な議論を行い、市議会としての合意形成を図ることにより、立法機能の充実及び強化を行うこと。

第13条 議員間討議による合意形成
1 市議会は、議会が言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営しなければならない。
2 議員は、本会議及び委員会において、議案の審議及び審査に当たり結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努めるものとする。

市民の目からすれば当たり前のことが当たり前でないから条例で記述しなければならない。

議会は審議機関であり、すべての議案は審議の対象となる。審議のためには、議案の提案者(市長もしくは議員、市民)への質問(質疑)が行われるのは当然。ここに議員間の討議が加え、議会としての結論を出していく過程が審議である。

国会でもそうであるが、質問をし答弁を受けることが論戦と呼ばれ、それを十分に行われれば審議を尽くしたということになる。このプロセスの中に議員間で行われる討議は含まれていない。
それをやろうというのが基本条例。

しかし、やってみたが、なかなかうまくいかないというのが実状。

現状の運用は、常任委員会の審査を終えたあとの本会議で各委員長からの報告を受けたあと、議案ごとに議員間討議を実施。そのあと、賛成・反対の討論、採決へという流れをとっている。

議員間討議は議員間の合意形成を図ることを目的としているが、はじめから賛成、反対を決めていて、なにをいまさら討議するのかという空気が強い。
議員間討議のあとに控えている賛成・反対の討論との違いを見出すこともできていない。

幸い、それなら、やめてしまえという意見は出なかったのが救い。

そこで、2つの提案を行った。

1つは、これまで一連の流れとして同じ日に行っていた<委員長報告→議員間討議→賛成・反対討論→採決>を3日間とし、初日に4つの委員会で行われた審査の経過と可否の結果について委員長報告を聴き、2日目を議員間討議の日として独立させる。各委員会の審査の結果として可決すべき案件となったか否決すべき案件となったかを受けて、議論が不十分なところはないか、見落とされた視点はなかったか等々、全体的に見渡す機会として、議員間討議を独立した日程の中に確保することで、論点のある議案一つひとつについて、より精査できる審議の最終段階としての議員間討議を位置づけを狙ったものである。

もちろん、本質的な解決策ではない。次善の策である。

もう一つの提案は、当面の措置的なものである。
本会議で議長が議案ごとに「議員間討議はありませんか」といっても「無し!」ということではみっともない。
議員間討議をしたい旨、事前に表明しておく通告制とすること。
こうすることで、何十もの議案ごと、議長が「議員間討議はありませんか」と繰り返すだけの労は不要になる。

議会基本条例に盛り込んだ趣旨を生かせるよう、方向付けたいものだ。


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