2018年11月22日木曜日

マニフェスト大賞グランプリ 犬山市議会に学ぶべきこと

<武蔵野市議のブログより>

 日本最大の政策コンテスト、マニフェスト大賞の授賞式が11月9日に開催され、2018年グランプリは愛知県犬山市議会が受賞した。同議会で行われている「市民フリースピーチ制度」には学ぶべきことがたくさんある。

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■フリースピーチ制度

 マニフェスト大賞の頂点となるグランプリを受賞した愛知県犬山市議会の議会改革には参考になる事例が他にもたくさんあるが、「市民フリースピーチ制度」には特に注目したい。

 この制度は、市民の議会への関心を高め、より身近で開かれた議会を実現することを目的に市民が議場で5分間発言できるものだ。
 平成30年の第一回定例会から始まり、定例会ごとに7名が発言できる。発言内容は、市政に関することで国政など市政に関係のないことは発言できない。また、多数の希望者がある場合は抽選。発言内容によっては許可されない場合もあるとしている。
 特に発言するだけでなく、議員との意見交換が行われ、内容によっては議会が担当課と協議した結果を公表していることがマニフェスト大賞審査委員会からは評価されていた。
 
 このような制度をはじめたのは、議長がニューヨーク出身のアンソニー・ビアンキさんであることが大きい。アメリカでは同様の制度が地方議会に取り入れられているからだというからだ。

 アメリカの自治体議会は、自治体によって制度が異なるので一概には言えないが、市民からの意見を聞く時間が最も多く、その次に多いのが議員間の議論だという。執行部への質疑の時間がほとんどの日本の自治体議会とは違うので、余計にこの制度の新鮮さが評価されたのではないだろうか。

■議会、議員のそもそもの仕事

 議会が誰のためにあるかといえば、住民のためにある。その住民の意見を聞くことが議員の何よりの仕事と考えれば、議場で聞く分かりやすい制度は、住民が意見を言える場のハードルを下げる意味において、他の議会でも参考になるだろう。

 議会報告会を行い、住民から意見を聞くことを行う議会は増えているが、犬山市議会のように分かりやすい制度を取り入れて、市民意見をさらに聞くことも大きな議会改革のツールとなりそうだ。

 どの議会でも、参考人として議会で発言することや請願、陳情などで住民が議会で意見を言える制度をもともと持っている。しかし、どこまで知られているか、住民が使っているか、使いやすい制度となっているかと考えてみると、使われている数を考えれば課題は多いと言える。これらの制度を再考する必要もありそうだ。

■武蔵野市議会では

 武蔵野市議会では、陳情を提出した市民が委員会で発言できる制度を持っている(議事録には残らない)。委員会と住民団体との意見交換や懇談会も頻繁に行われている。しかし、多くの市民がこの制度を知らないのではないだろうか。また、委員会の開催は、平日の昼間となるので、発言したくてもできないことも考えられる。周知の手法、時間など、工夫が必要だろう。

 フリースピーチ制度を取り入れるかは別としても、さらに市民意見を聞ける、そして、政策へと結びつける制度は今後考えてみたい。

※犬山市議会の改革の内容は、「
トークショーに終わらせないための議会改革」(2018年02月19日)にまとめているのでご参照ください。

【参考】
犬山市議会 
市民フリースピーチ制度
マニフェスト大賞 第13回マニフェスト大賞グランプリを発表しました
 
http://blog.livedoor.jp/go_wild/archives/52530489.html

2018年11月21日水曜日

「議会活力度調査」日経新聞から所沢市議会の現状は?

<所沢市民のブログより>

少し前になるが、日本経済新聞115日朝刊の地域総合面に、「815市区議会活力度調査、政活費公開・ICT化進む 」の見出しで、全国市議会の「議会活力度」調査の概要が発表されたので、所沢市議会の現状を比較しながら、皆さんと考えてみましょう。

  最初に、私が見聞きしてえた情報から、所沢市の現状を簡単に報告します。

政務活動費の公開・透明度の確保

 市議会ホームページ(HP)で政務活動費を公開、支出明細は区分費用まで(領収書の公開はない)。

情報通信技術(ICT化)の推進

 今年から、議場にモニターテレビ設置し、議案資料の電子化や多機能携帯端末(タブレット)の使用開始など推進。

議案に対する議員個人の賛否の情報公開

 市議会HPの各定例会の審議結果にて公開済、議会報に掲載済。

議員が直接市民と意見交換する議会報告会の開催と市民意見の取扱

 私が参加した4年以上前から実施済、市民意見は報告書をHPで公開。

議会運営における反問、反論や議員間の自由討議

 10年前の議会基本条例制定から、反問できます。また、各種審議における自由討議も可能で、6次総特別委員会でも実行。

政策条例の議員提案

 9月市議会で8件の議員提出議案が承認され、今年の議員提出議案は17件。

女性議員数

 所沢市議会の女性議員数は7名で、全議員33名に占める比率は21%です。

 比較すると、所沢市議会は全国市議会のなかで議会改革を進めていることがよくわかります。さらにリーダーシップを発揮するため、市民と共に進める工夫をしてもらいたいですね。

                                     1110日 記:いしどう

 それでは,所沢市議会の現状を考えるため、参考にした日経新聞の記事を次のとおりご紹介します。ご参考になれば幸いです。

日本経済新聞115日朝刊地域総合面の見出し、815市区議会活力度調査、政活費公開・ICT化進む からは以下のとおりです。

  全国815市区の議会を対象とした日本経済新聞社の「議会活力度」調査で、政務活動費の透明性の確保や情報通信技術(ICT)化などが浸透し、議会改革が進展しつつあることが分かった。ただ、議員間の自由な討議や議員による政策条例の提案などは低調だ。議会活性化に向けた改善の余地はなお大きい。(「日経グローカル」350号に詳報)

地方議員の政策立案に向けた調査研究活動などの経費として議員報酬と別に支給される政務活動費。各地で不正受給などの発覚が絶えず、使途の公開など透明性の確保が問われている。

政務活動費を支給している716市区議会に領収書の公開(複数回答)について聞くと、ホームページ(HP)で公開しているのは三重県鳥羽市、山口県山陽小野田市など38%だった。庁舎内での閲覧が71%と最も多く、17%は非公開だった。収支報告書の公開(同)はHP79%と最も多く6%が非公開だった。

政活費の透明性を確保する対策(同)では「マニュアルで使途を細かく定めている」が79%で最も多い。「旅費を伴う視察などに事前計画書・実績報告書を義務付け」が64%で続いた。領収書のチェック後に支給する後払い方式も岩手県久慈市、岐阜県高山市など6%が導入している。

議会への関心向上や効率運営につながるICT化では、回答した813市区のうち、大型スクリーン・モニターテレビを議場に設置しているのが34%を占めた。議席のボタンを押すと瞬時に表決結果が画面に示される電子採決も千葉県流山市、那覇市など12%が導入している。議案資料などの電子化(21%)や全議員への多機能携帯端末(タブレット)の貸与(18%)も広がりつつある。

情報公開では、表決した議案に対する議員個人の賛否をHPに掲載し公開しているのは5割を超えた。議会報への掲載は7割に上る。2014年に実施した議会改革度調査ではそれぞれ4割弱、5割弱で改善が進んだ。

住民参加に関しては、議会への要望書(「請願・陳情書」)を提出した住民が議会で直接説明する機会を保障するのは58%で、14年の前回調査の42%から大幅に増えた。過去1年間に委員会で住民が実際に発言したのは32%だった。

議会活力度トップの兵庫県西脇市議会は住民も参加したワークショップ形式で議会報告会を開く

議員が住民と直接、意見交換する議会報告会を過去1年間に開催したのは50%。これも前回調査の43%を上回った。年間開催回数は平均5.6回で、1回の平均参加人数は31人。議会活力度で全国トップとなった兵庫県西脇市は15年から市内の80自治会を「議会と語ろう会」と題して議員が巡る。

報告会などで住民から出た意見の取り扱い(複数回答)は、「報告書にまとめ、HPで公開」が42%で最も多かった。続いて「執行部に参考意見として伝えている」が36%だった。しかし、「政策に反映させるため、常任委員会などで議論」は福島県会津若松市、茨城県取手市など14%と少ない。

「住民の意見は政策のタネ」(西脇市)として意欲的に政策立案に生かそうとする議会はまだ少数派だ。

議会運営では、首長・執行部が議員の質問を問い直す「反問」を認めているのは64%と、前回調査の48%から大幅に上昇した。ただ、「反論」まで容認しているのは、岐阜県可児市、三重県四日市市など10%にすぎず、論戦には消極的だ。

議題の結論を導くため執行部を交えずに議員同士で自由に議論する議員間討議も活発とはいえない。過去1年間に常任委員会で議員間討議を実施したのは京都府亀岡市、宮崎県日向市など19%にとどまった。

議会の立法機能の指標となる政策条例の議員提案も低調だ。過去2年間に条例の提案があったのは18%。このうち可決は四日市市、大津市など15%だった。前回調査の20%15%と同様に低迷している。議会の議論や活動を活発にするためには、議会としてのチーム力の強化や議員個人の資質の向上が欠かせない。

女性の存在感増す、地方で高齢化深刻

市区議会の女性議員数は平均3.5人で、全議員に占める比率は14.4%。国会議員の13.7%(衆院10.1%、参院20.7%)をやや上回る。女性比率は5年前に比べ1.7ポイント上昇し、緩やかながら存在感を増す。

女性比率が30%以上の議会は40市区ある。首都圏の13県が26市区、名古屋圏、大阪圏も計10市で、三大都市圏に集中している。地方に比べ女性が立候補しやすい環境が整うことなどが理由のようだ。最も高いのは大阪府交野市で46.7%15人中7人)。

50歳未満の議員数は平均4.3人で、全議員に占める比率は16.8%5年前に比べ1.5ポイント上昇した。50歳未満の比率が30%以上の117市区のうち、首都圏が54市区、名古屋圏と大阪圏が計27市を占める。女性議員の割合と同じく三大都市圏が中心だ。

そんななか、那覇市の45%をはじめ、沖縄県に50歳未満の議員数が30%以上に達する議会が7市あることが目を引く。米軍基地問題などで若者層の政治的関心が高いことや、1人当たり県民所得217万円(15年度)に比べた議員報酬の高さなどが背景にあるようだ。

全市区議会の平均年齢は60歳で、5年前より1歳高くなった。平均が65歳を超す議会も31市あった。中小都市の議員報酬は400万~600万円台。議員のなり手が少ない地方の議会で高齢化がより深刻になっている。(井上明彦)

                                                      以上
https://blogs.yahoo.co.jp/tokocitizen_c14/43741500.html

2018年11月20日火曜日

午後から議会基本条例について学びます

<八潮市議のブログより>

八潮市議会では、現在、議会基本条例策定に向けて議論を始めています。当初、私は21人しかいないので全員で議論してまとめた方が、より多くの意見を集約できるのではと全員で議論することを提案しました。
しかし、多数決で議会運営委員会で議論することになりました。

議会基本条例は、議員全員に係わることなので、議運のメンバーだけでなく他の議員も勉強会をする必要があるのではないかと思い、議員会主催の研修会を提案しました。

研修会開催まで紆余曲折がありましたが、本日14時半から1時間半、元三郷市の企画部長・現やまと大学准教授の田中富雄氏を招いて研修会の予定です。

事務局から、今まで議論してきたものをまとめたものを事前に講師に送付して評価やアドバイスなどもいただく予定になっています。

今日はしっかり学んで良い条例を作る参考にしたいと思っています。

http://diary.e-yazawa.her.jp/?eid=877912

2018年11月19日月曜日

「有権者育てた模擬投票」・・・議会改革をたどって

<朝日新聞より>

議会報告会や議場での市民フリースピーチ制度などを通して住民の多様な意見をくみ取り、それを政策に練り上げて成果を出している議会を紹介してきた。連載の折り返しを過ぎた今回は、そんな頑張っている議会のなかでもユニークな成果をあげた岐阜県可児(かに)市議会を取り上げたい。

 地元の高校で本番さながらの模擬投票をバックアップし、18歳選挙権が初めて導入された2016年参議院選挙で、高校生の投票率アップにひと役買ったのだ。

 その投票率がすごい。全国の18歳の投票率51・3%に対し、その高校は90・8%。でも、どうして地方議会が高校生の「主権者教育」にそこまで入れ込むのか。

 議会と高校との連携を仕掛けた川上文浩(57)に聞くと、「人口減少への危機感です」。山間へき地でもなく、人口は約10万2千人。しかし、いずこも同じ15歳から64歳までの「生産年齢人口」は減る一方。特に若者の流出が課題なのだという。

 名古屋市までは電車で約1時間と近いが、多くの若者は高校卒業と同時に進学や就職でまちを離れ、戻ってこない。13年に議長になり、議会も何かできないかと考えた川上が着目したのが、地元の県立可児高校で取り組まれていた「地域課題解決型キャリア教育」だった。

 地域を担う人材を育てる第一歩は、魅力的で多様な大人が地域にいると知ってもらうことだ。高校生と大人が出会い、一緒に考える場をつくりたい。議会が間に入れば商工会議所や医師会だって協力してくれる。川上の提案は高校のめざす方向性と合致。14年夏、議会主催という世にも珍しい、高校生との地域課題懇談会が始まった。

 そして18歳選挙権導入を控えた15年12月の懇談会のテーマは「どうしたら選挙に行くのか」。会が終わった後、生徒会長の田口裕斗(ゆうと)(20)がこう言った。「模擬選挙をやってみたい」

 川上が応じた。「本気の大人が関わって、本気の模擬投票をやるぞ」。市長選を想定して、候補者役の生徒3人が医療やにぎわいづくりなどをテーマにマニフェストをつくり、議員はその政策づくりを手伝った。

 立会演説会を開いた際には、川上が何を基準に選ぶのかをレクチャーした。投票箱や投票用紙は選挙管理委員会にたのんで本物を使った。結果、4カ月後の参院選で可児高校の18歳有権者87人中79人が投票したのだ。

 いま、立命館大学に通う田口は将来、故郷で市長をめざそうかとも考えている。「政治や選挙を身近に感じるようになった、あの模擬投票がきっかけです」

 可児市議会は委員会に代表質問を採り入れるなど、数々の先進的な議会改革で全国に知られる存在だ。しかし、なかでも高校との連携を川上は大事にしている。「一人でも多くの若者が地域に残ってほしいので。それに、いい地域をつくるために、いい有権者を育てるのも議会の仕事だと思っています」=敬称略(神田誠司)


https://www.asahi.com/articles/DA3S13757691.html

2018年11月18日日曜日

生の発言から見える本当の能力…全員協議会議事録

 『打ち合わせの無い市議会』

9/13()の一時間半ほどの全員協議会の議事録が公開された。彼らの生の発言がそのまま乗っている貴重なものだ、と言ってもA428頁、つまり紙。アップロード(10M超す)する予定はない。というのは、11月末までには市議会サイトの議事録にのるかもしれないから。
なぜなら昨年の全員協議会議事録はそうなっている。だがアレは本会議場でやったためかな?。先月のは本会議場での開催を拒否されたから、結局は議会事務局のヤル気次第かも。 

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内容も対照的なので、去年の逮捕直後の市政大混乱の11/2日に急遽開かれた全員協議会(議事録)に触れておく。冒頭で逮捕二人の出身会派から代表人が意見を一回述べただけだ(型どおりの事件批判と捜査に協力すると)。つまり新政と公明の議員達はお互いに黙っていようと申し合わせしたようだ。
先の9/13協議会とは真逆である。自分が気に入らないときだけ騒ぎ立て、都合が悪いと貝になる。
今回の議事録は、事前の質問と回答を台本にした本会議と違い、その場での生の質問と回答であるから、発言者の言語力や論旨の明瞭さ、回答を引き出す力などが見えてくる。
かと言って面白いわけではなくぞっとする事が多い。だから副市長以下の幹部職員の発言がやけにまともに見える・・・
既に速報的に書いたが、「見直し案を市民に説明しないのか」という質問への畠山市長の「やりません」発言が一ページに収まっていることと、市長がいつになく多弁だったことを示す見本として、アップロードした。
希薄なことを長々と語られると、その場で理解するのは苦労するが、これを読んで市民は納得するかな? 

http://domex.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-7e2e.html

2018年11月17日土曜日

川口市議会「第15回議会改革推進委員会」傍聴

11月6日(火)「第15回議会改革推進委員会」を傍聴してきました。何時も傍聴者は概ね私1人ですが、この日は聴力障害者との2人(手話者2人付)です。5月11日に開催された「第13回委員会」で、全会一致で「検討する」と決まった「議会基本条例の検討について」は、7月25日に開催の「第14回委員会」で提案された「研修会の開催」は、意見の一致を見ずに終わり誠に残念です。最後の委員会は来年1月28日に開催の予定です。
何故「議会改革」が必要なのか!!!来年4月の改選で当選した「市議」には、骨格部分(議会のあり方、情報公開、市民参加、議案審議の充実など)から議論を深めて欲しいものです。

2018年11月16日金曜日

議会報告会へお出かけください(^_^)/

<東村山市議のブログより>

こんばんは。急に寒くなってきました。お元気ですか?

さて、明日と明後日は、東村山市議会の「議会報告会」です。

①1116日(金)午後7時~9時/東村山駅西口サンパルネ
②11
17日(土)午後2時~4時/中央公民館

開催ポスター

15万市民の税金の使いみちや、条例や、重要な人事などを決めているのは、僅か25人の私たち議員。
その重みを考えれば、市民の皆さんの前に出て説明責任を果たすべきだと当時の議員たちで話し合い、20145月にスタートして以来、4年半が経ちます。
毎回様々な手法や趣向を凝らし、少しずつ修正も加えながら、3か月ごとに開催してきました。

今回は、1010日に終わった9月議会の報告、特に決算審査のポイントと、各会派の考え方と評価をしっかり説明させていただきます。
また、これまでご参加いただいた皆さんのご指摘を踏まえ、報告を手短にし、質疑応答の時間やふりかえりの時間を取るような流れで計画しています。

来春の選挙を控え、2月は少し違った形で1日だけを計画していますので、現行メンバーでこの形で開催するのは最後となる予定です。
日々お忙しいこととは存じますが、未経験の方はぜひ一度、いつもいらしていただいている方は今回もぜひ、お出掛けいただけたら幸いです。
ご参加をお待ちしています!

http://sato-masataka.net/wp/?p=4673