2014年7月6日日曜日

一般質問  地域医療・介護総合確保推進法と地域包括ケア

<松阪市議のブログより>

71日に行った一般質問の原稿です。
地域医療・介護総合確保推進法は、
今年6月18日の国会で可決、成立したばかりです。

介護保険と地域医療を同時に見直す法律ということで、医療、介護に絡む19の法律を一本にまとめたものということです。地方の医療や介護の現場、患者・利用者、家族に大きな影響をもたらしそうな内容です。

厚生労働省は、「必要な時に、必要な医療・介護が受けられる社会へ」と言っていますが、
この法律で、「必要な時に、必要な医療や介護が受けられない社会」を作ってしまうのではないか。

特に介護保険制度とかかわってくるところが多いので、介護の現場では、いくつかの事業所や地域包括支援センターなどに当たってみましたが、現場は、相当、戸惑っています。 
介護の現場だけでなく、自治体のほうも、対応に困っているようなので、厚生労働省は、先週の6月26日、津市内で、「地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度改正」というテーマで三重県トップセミナーを開いています。

国会では、十分な審議が行われなかったとして、全野党が反対したということですが、国会で決まれば、具体的に対応を迫られるのは地方自治体です。

松阪市では、この法律ないしは制度改正をどのようにとらえているのか、お聞かせいただくのが、今回の一般質問の趣旨です。

通告内容を順次、お尋ねしていきます。

<地域包括ケアとは>

地域包括ケアシステムとは、何でしょうか?

厚生労働省が出している資料によると、
「介護は必要になっても住み慣れた地域で暮らせるよう、介護・医療・予防・生活支援・住まいが一体的に提供される」体制のことを指すようです。

「地域ごとに医療、介護、予防に加え、本人の意向と生活実態に合わせて切れ目のない生活支援」と書かれている。

そういう意味ですね。

【質問】
これらは自治体に委ねられているわけでしょうか?

【質問】
どうすれば実現可能か。見通しを立てることはできるのか?

6月26日の三重県トップセミナーで配られた資料には、

「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供されるシステム」と書いてあります。

「重度な要介護状態となっても」地域でということだ。
特養などの入所施設には入らないということだ。

これが2025年までの目標。

しかも、「おおむね30分以内で必要なサービス」が受けられる仕組みだ。

30分圏内の地域全体を、“ケアハウス”空間に見立てなければできない話です。
厚生労働省は、「ケア付きコミュニティ」と書いているんですね。
         =書画カメラ使用 ③
想定しているのが、市内5つに割った地域包括支援センターの単位を「ケア付きコミュニティ」と呼ぶ。
「重度な要介護状態となっても」地域にあるが、「ケア付きコミュニティ」であるから、市内どこに居ても24時間安心、「30分以内で必要なサービス」を受けられるのが厚生労働省の説明なんです。

2025年までに、市内全域をこのようにするという政策なのです。

施設であれば、家族がいなくても職員がいる。しかし、家族のいない一人暮らしの人には地域の見守り隊がいるかもしれないが、一人ひとりを24時間見ているわけにはいかないのに見ているようにするとでもいうのだろうか。

【質問】
2025年までに、こうしたコミュニティをつくることが、今回の法改正の目的ととらえてよいのでしょうか。

【質問】
市長、2025年までに市内全域を「ケア付きコミュニティ」にするというこの政策に賛成できますか。

※国の考えを説明するのではなく、市としてどう考えるかを聞いている。
※現場や、自治体の戸惑いぶりを見ていると、法案を作っていく段階で、地方の声を聞いたとはとても思えない。
※国が決め、自治体は絶対的に従う仕組みだ。
※自治体の意向を反映させる機会はあったのか。
※今からでも、自治体は声を上げなければならないのではないか。

<介護分野と自治体>

※自治体の責任
地方分権と言われながら、自治体の役割を国が決め、それを市長が実施する関係が規定されている。厚生労働大臣は「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」(総合確保指針)を定め、市町村はこの指針に則して「地域における医療及び介護を総合的に確保するための事業実施に関する計画」を作成することになっている。
地域包括ケアは、国→地方という関係の中で検討されていくべきものなのか。

【質問】
4月1日の国会で安倍首相は、「市町村が必要な効果的、効率的に提供できる仕組みにする」と答弁しているが、果たしてそうなのか。
自治体の政策しだいで、こうした状況をプラスにできる余地は残っているのかどうか。お尋ねしたい。

【質問】
現行の介護保険で給付される「要支援者」サービスのうち、訪問介護と通所介護(デイサービス)の2つが保険給付から外され、市町村事業になるが、介護保険による、ヘルパーによる家事援助の訪問・デイサービスでの食事や入浴といった通所介護サービスを、2015年から3年で市町村事業(介護給付費に対する地域支援事業 3%以内)に移項することが松阪市に与えるインパクトは?
プラス面・・・   マイナス面・・・

【質問】
市内で、訪問介護と通所介護のサービスを受けている要支援者の数はどれだけあるのか。また、保険給付となっている金額はどれだけに上るのか。
それを地域支援事業として、市に移管した場合の財源的措置はどうなるのか。

【質問】
金額面で見て、介護保険給付と同レベルの事業費を拠出して地域型の支援を行うのか、また切り下げられるのか。現在の給付額と比べ、どの程度の水準になるのか。

【質問】
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために自治体に出来ることは? なんでしょうか。

【質問】
自治体の責任はどこにあるのか。

※地域包括支援センター
【質問】
それとも、取り組む主体は、市町村が設置主体である地域包括支援センターということでしょうか。

【質問】地域包括支援センターは、法施行後、地域支援事業を担っていけるのか、心配している。
どんなことを心配しているか、聞いたことはありますか。

現行の介護保険法では、「要支援1~2」と判定された人たちは、介護予防給付として訪問介護(ホームヘルパー)や通所介護(デイサービスに通うこと)を受けることのできますが、新制度ではそれができなくなります。
全国どこでも同じサービスではなく、市町村によって違いの出る自治体のサービスとなるわけですが、それを担うのはだれかという問題です。

【質問】
訪問介護や通所介護をやっていた事業所の中には、要支援の業務からは撤退して、要介護に絞ろうかという動きも出てくるのではないか、という声もあります。
たぶん、単価が下がると見ているわけです。仕事として成り立たないから、この業務を引き受けてくれる事業者はいなくなるのではないかというわけです。
そうなると、「要支援」に相当するサービスの提供者が圧倒的に減ってしまう。そのような事態も想定しなければならなくことは考えているかどうか。

国は、地域の民生委員さんや、NPO、ボランティアだけでなく、老人会や自治会、そして、ボランティアをしてくれる人を発掘したり、養成して、社会全体で見守れと言っている。
=書画カメラ使用 ④
わたしが言っているのではなく、厚生労働省の説明会で配布された資料に書いてある。
もちろん、コミュニティが力を付けることが大事であることは言うまでもありませんが、地域のボランティアの方々が、このようにして、「要支援1~2」の人たちを見守って、掃除・洗濯・ゴミ出しのお手伝いにも踏み込んでケアをしていくという仕組みです。

【質問】
自治体がコミュニティ政策の一環で重点施策として力を入れるのはわかる。
しかし、国が「要支援者の皆さま方への支援まで手が回らないから、それは地域でお願いします」という政策を法改正の中で説明してくるというのはいかがなものか。
社会保障は、お金がかかるから出来ないではなく、お金はかかって当たり前だが、それをどうやって守り抜いていこうかというところに国家の役割があるものと考えます。
その役割を放棄する政策でないかと思うところです。
自治体として意思を表明していかなければならない問題だと考えますが、市長のご所見をお伺いしておきたいと思います。

※自治体の責任として、担い手確保
という部分とは別に、法が出来た中では、自治体の責任として対応していかなければならないところがあります。

【質問】
そうした担い手はどう確保していくのか。担い手の確保や育成も、地域包括支援センターなのか。
地域包括支援センターの責任はどこまで?
地域包括支援センターの現在の陣容ではとても対応できないのではないかという不安も広がっているように思いますが、いかがでしょうか。

地域医療というテーマにもかかわっていきます。

このような資料があります。
「改革後の姿」というイメージ図です。
     =書画カメラ使用 ⑤
「いつでも必要な場合に往診してくれる医師が近くにいて、必要な訪問サービスを受けることができる」
「サービス付き高齢者住宅」など、安心して暮らせる多様な住まい=一ヶ月16万円もする? だれでも入れる金額ではない。
「24時間対応の訪問介護」
等々、書いてある。

「改革後の姿」ということなので、2025年ということでしょうけど、現実感がない。現実の制度改正は、逆の方向に向かっていると思われますが、今回の法改正は、「改革後の姿」に近づいていく改革であると言えるしょうか。

わたしには、とてもそうだとは思えない。

介護の現場ではこんな声を聞いた。
「国は在宅で助け合いというが、在宅はもう限界という人はいくらでもいる。『見守り』のある人はいないんです。地域で見守れというのは難しい。」

それを作れというのが、新しい制度のもとの地域支援事業である。
現実ではますます困難になっている部分を、地域包括ケア、言い換えれば、地域パッケージのケアを進めましょうというのが国の政策と受け止めざるを得ない。
厚生労働省の言葉を使うと、「ケア付きコミュニティ」です。

しかし、「要支援」のところでこの構想は、崩落してしまうリスクを持っている。

「要支援」対策を十分にしなければ「要介護」は増えるというのが、現場の一致した声です。

愛知県の団体がとったアンケート結果が手元にあります。

それこそ、「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で」という話になってしまう。

市長、どう受け止めるべきでしょうか。

平成27年度から始まる第6期介護保険事業計画には、自治体の裁量で織り込んでいけるものはあると思いますが、どのような方向付けを考えてみえますでしょうか。

地域医療と自治体

ここまで地域や介護の現場に出る影響について見てみましたが、この問題と深く係わる地域医療についてです。

【質問】
地域で支えるということの意味
    厚生労働省が一般向けの説明会用に作成した「社会保障制度改革の全体像」という資料には、「『病院完結型』から、地域全体で治し、支える『地域完結型』へ」と理想郷が描かれているが、どういう意味か? そんなことは可能なのか?

自治体としてどう関与していく?
自治体が果たさなければならない役割はあるはず。それは何であると考えているか?
地域内の医療連携に対する行政の関与(コーディネート)の必要性

「改革後の姿」という厚生労働省が示したイメージ 
急性期病院・・・「病院のスタッフが連携先の身近な病院を紹介」
        「自分で転院先を探す必要はない」
回復期病院・・・「身近なところで集中的なリハビリを受けることができる。
        「早期の在宅復帰・社会復帰が可能」
空約束ではないか?

「かかりつけ医」からは、診療報酬の改定で、訪問医療がしにくくなる傾向にあるという声があります。
早期退院で、病院から地域に帰った患者はだれが見る?

今度の法で、早期退院が進むにもかかわらず、訪問医療がしにくくなる気がする。←国による報酬操作

退院すれば、看護師や介護士のいる施設でのショートスティへ
(もしくは、家に帰る=地域???)
しかし、施設に看護師が少なければ、少ない看護師が大勢の利用者を看ることになる。
看護師の確保、養成が必要になる。
受け皿以上に人が来たら? 受け皿がパンク?
受け入れようがない?

往診ドクターの実情
 木曜日の休みや、土日、お昼休みを往診に充てている実情がある。
一人ひとりの患者ごと、往診計画表(年間計画)の作成や、日々、往診の内容を事前・事後にカルテに書いて県に申告品しなければならなくなる。一人あたり60分のうち、前後に10分ずつ、実質40分になる。

自治体としてどう取り組んでいく?
自治体が果たさなければならない役割はあるはず。
それは何であると考えているか?
地域内の医療連携に対する行政の関与(コーディネート)は有りなのか、あり得ないのか?

法と市民病院

<県が作成する地域医療ビジョンと病院独自の運営方針>
●病院として独自の運営方針(どの病床にいくつ充てるか)を立てられず、県全体の中での方向性に沿わなければいけないのか。

●医療法の改正で県が地域医療ビジョンを策定、病院の個々の病院の役割を決定する問題

病院が県に病床機能を報告
      ↓
県がベッドの必要量と役割を決める(地域医療ビジョン)

県が、「どの病院に、どの病床をいくつ」と、割り振るのか?
重症者向けの病床を削減していくという方向にあるが、「松阪市民病院の急性期はいくつ、回復期病床はいくつ」と、県が決める?
急性期とか回復期とか区分ごとに県の医療圏のビジョンに従わなければならいのか。
従来だと、トータルでいくつ病床という大枠だったのではないか。
そこまでして急性期病床を減らそうとしている。

●急性期病床の削減
市民病院で収入増を図ってきた急性期病床を減らさなければならなくなる可能性は
患者7人に看護師1人が付く「7・1看護」の病床は、いまいくつあり、いくつ減る可能性があるのか。

●入院したときから退院のことを考えるということ
患者への影響 急性期病床の診療報酬の減額で早期退院(在院日数の短 縮)の促進 追い出しにつながる?

●急性期から回復期へ どう連携?
市民病院内か、他病院か。 厚生労働省は「自分で転院先を探す必要はない」と言っているが・・・。患者は探さなくても、市民病院で探してくれるのか?

●退院後の受け皿はどうする? 
回復期とどう連携
在宅復帰と、受け皿は?
入院したら退院のことを考えなければならない。厚生労働省は「自分で転院先を探す必要はない」と言っているが・・・・。

●市民病院が地域医療にどう関与するのか。


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