2018年6月22日金曜日

議会改革は議員の意識改革

<武蔵野市議のブログより>

2017年マニフェスト大賞グランプリを受賞した前飯綱町議会議長、寺島渉さんの話を伺った。議会の権限と役割を再認識するとともに議会改革は議員の意識改革だとされていたことが印象的だった。
P1020148
 
 寺島さんは昨年で議員を引退されたが、それまでは議会改革を引っ張り、飯綱町の名前を全国に広めている。改革派寺島前議長だけの力ではないが、その動きは多くの議会で参考になるだろう。
shiryou1_ページ_1■議会には厳しい評価

 飯綱町議会の改革のきっかけとなったのは、2005年、旧牟礼・三水両村の合併で飯綱町がスタートしたが、旧牟礼村でスキー場などを運営する第三セクターが破綻し、町は金融機関に約8億円の損失補償を行うことになった。そのとき、議会は何をしていたのかと住民から糾弾されたことが発端になったという。

 そこで町民に議会、議員についてアンケートを行ったところ厳しい評価となった。その結果を議会報などで公表するとともに、半年に30数回の学習会と議員同士で自由討議を行い、改革を実行することを知らせ、失墜した信頼を回復するために議会の機能と役割を再認識する。それは、報議員個人のパーフォーマンスではなくチーム議会として活動し、政策を議会からつくることが必要で、そのための改革が進められた。

 改革のその中心となったのは議会が何をしているか分からないという住民が多かったことから議会を見える化すること。住民参加を進めることが必要、サッカーの応援団をヒントに「政策サポーター制度」をつくり、住民と議会が政策をつくり執行部に提案することなどを行った。
 何よりも、首長提出の議案の追認機関から脱することが必要で、そのためには、常に学習をしていくことが必要だった。結果として議会改革は、議員の意識改革であったと話されていた。

P1010830


■継続的に取り込む仕掛けづくり

 しかし、追認機関でいい、余計な仕事をしたくないという議員と、改革を進めたい議員、その中間派はそれぞれ三分の一という状況だった。そのせめぎ合いは常にある。また、議員は4年に一度改選があり議会構成が変わる。新人が入り構成が変わっても継続的に取組む仕組みが大切。これがないと改革は進まないと話されていたのが最も印象的だった。

 飯綱町議会は、儀か基本条例を制定し、基本条例に基づいて年次計画をつくる。また、議会白書を発行し、自分たちの活動を評価、再確認することも行う。これらは基本条例に基づいて行うもので、改革を続けていく仕組みでもあるという。
 とかく話すことは得意だが、計画的に動けないことの多い議会。この仕組みづくりは参考となる。

 そして、議会基本条例の制定には、2パターンがある。飯縄の場合は、実践してきたことを議会基本条例にまとめたパターンだが、議会基本条例を制定してから進めていくパターンもあるとしていた。どちらのパターンでも、ゴールは同じ。以下の住民福祉の向上をはかるか。良いまちにするかだ。

 武蔵野市議会は、現在、議会基本条例の検討を進めているさなか。このパターンも含めて参考にさせていただきたい。

(2018年5月17日、ローカルマニフェスト推進地方議員連盟主催「地方議会研修会 in 長野県飯綱町」の講演で)

※画像は、飯綱町議会の
視察資料より(議会報)

【参考】
地方議会研修会 in 長野県飯綱町を開催!総勢120名が参加しました
shiryou1_ページ_2
 

0 件のコメント:

コメントを投稿