2018年7月16日月曜日

選挙事務改善と職員の意識

月刊ガバナンス7月号の特集は「地方の選択と次期統一地方選」でした。
この中で、中村健・早稲田大学マニフェスト研究所事務局長が「選挙事務改善と職員の意識」として寄稿しているので、抜粋して報告します。
【税金の納税額や使途は、選挙で選ばれた代表者達によって構成される議会で議論し決定され、同じ有権者から選ばれた首長によって執行される。議会制民主主義を採る我が国において選挙は民主主義の根幹と言え、その選挙事務を司る組織である選挙管理委員会の活動が、地域間競争が益々厳しさを増し地方創生が叫ばれる今、選挙の本番だけでなく選挙の無い日常においても活躍が注目される。
多くの自治体で開票事務迅速化の取組みが始まった。小諸市ではお金も増やさず人も減らして、確定票までにかかる時間を大幅に短縮させた。開票事務はこうやるものだという思い込みを打破、全員一丸となって進めるチーム型開票事務へ変わり、2010年8月の長野県知事選では17分という驚異的な結果をたたき出している。自治体では、共通投票所、投票所縮小と出前投票所、ポスター掲示板の見直し、選挙公報の選管ホームページへの掲載などが進んでいる。一方、まだまだ未着手の分野が、選挙のIT化とハンディキャップを持つ人への対応だ。投票年齢が18歳に引き下がったことで若者の投票率向上が期待されたが、思うような成果が出ていない。その要因の一つに投票の不便さと選挙公報の不十分さが考えられる。それを解決する手段としてインターネット選挙の実現が期待される。健常者によってルール化されてきた今までの選挙の改革が必要だ。違反や失敗ばかりを意識して管理する側という比重の強かった選挙管理委員会の活動が住民自治を促し醸成させていく組織へと変わることにより、住民自らが地域へ目を向け、多様な人材が地域活動へ参画できる環境構築に期待したい。

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