2016年10月23日日曜日

議会改革の“キモ”

<会津若松市議のブログより>


毎日フォーラム誌に依頼を受け原稿を寄稿した。
10月号です。

「議会改革の目的、その要諦とは」という題で書いた。
写真下がその文章。

画像に含まれている可能性があるもの:空、屋外画像に含まれている可能性があるもの:1人

 議会改革の目的・要諦は何かといえば、「市民の間にある個別具体的な問題」や「漠然とした生活上の不安」の解決・解消のために議会がその権能を使って市民に役立つ存在になるように機能することと考える。

 そのために「具体的成果」を挙げていかなければならない。そして、議会基本条例は議会改革のツールである。

 議会基本条例の必須三要件〔東京財団(=中尾修)モデル〕を、比較的忠実に実行しているのが我が会津若松市議会かと思う。

 (1)市民との意見交換会における市民意見を起点とし、(2)請願者、陳情者を市民からの政策提言として議会(委員会)に参考人として招き(原則規定)、それらを(3)議員間討議を通じて政策を練上げ提言し、さらにチェックする政策サイクルを仕組みとして回している。

 当市の議会基本条例には、議員の議決責任(=説明責任)を果たすと条文にあり、そのためには重要案件を深掘りして審査するという意味でも議員間討議は必要である。以下、我が市議会の要点を記す。

①    市民意見を起点として、広報広聴委員会が政策テーマごとにまとめ、それに添って調査研   究し政策に練り上げる政策討論会を、4つの常任委員会と議会制度検討委員会で5つ設置している。定例会閉会中盛んに開催され(テーマに添った先進地視察や学識者を招致したセミナーを含む)、ここで得た知見を委員会審査や一般質問に生かしている。    

②    議員間討議は、執行部への質疑と賛否表明する討論の間にあるもので、議案に対して論点、争点を明らかにし、その上でどこまで合意できるのか否かを図ることにあるという位置づけ。よって、議事日程で口述書(本会議は議長、委員会は委員長の)に記載され、その機会を設けている。

③    議員間討議するもの(議案やテーマ)は、例えば委員会であれば事前に準備する場を設け    論点をその委員全員で共有している。議員間討議がより有効なものとするためのツールとして、論点整理の書式用紙もそろえた。

④    議員間討議により合意がとれたものは、原案に賛成であっても付帯意見をつけたり、それよりややトーンの弱い要望的意見をつけたりする。これが、予算やその執行に反映されたか否かチェックすることにより、予算~決算~予算・・と政策サイクルが機能することになる。

 本市における平成20(08)年の議会基本条例制定を機に、学識者や先進地に学び、試行錯誤しながら制度を作り回しそれなりの成果を挙げてきた。

 しかしながら、投票率の低下傾向に歯止めはかかっていない現実もある。

 その一方で、当初とげとげしい雰囲気のまま終わっていた市民との意見交換会は、今はほとんどの会場で拍手があり、参加人数も微増の傾向にある。また、町内会の催しに市長は呼んでも議長は呼ばなかったところから、招待状が届くようになった。
これらの現象は、議会が認められてきた証左だと感じている。
 その時々の工夫や仕掛けを考えながら「たゆまず続けることが大事」だと思う。
http://www.meguro.gr.jp/blog/?p=1468

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