2017年6月8日木曜日

あなたのまちの議会は何位? 格差広がる、地方議会改革度調査結果

<THE PAGEより>

最も身近なはずの地方議会。住民利益につながる議会改革は進んでいるのでしょうか(写真は東京都議会本会議場:Natsuki Sakai/アフロ)

 ことしは地方自治の基本を定めた「地方自治法」誕生から70年になります。1947(昭和22)年5月3日、日本国憲法と同時に施行されました。この法律によって、それまで官選だった知事が住民の選挙で選ばれるようになり、同じく、直接選挙で選ばれた地方議会が地方重要政策の最終決定者となりました。
 しかし、相次ぐ政務活動費の不正な使途や議場での不適切な発言などが注目を集め、地方議会や地方議員に対する住民の視線は、厳しさを増しています。人口減少や超高齢社会というかつてない難問に直面した今、地方議会はいまの姿でよいのでしょうか。「地方議会改革」はどこまで進んだか、シリーズで考えます。

都道府県ランキング1位は政務活動費不正使用で話題になったあの県議会

早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2015」都道府県議会ランキング。前回調査より上位は赤い数字、同じ場合は黄色、残りは前回調査より下がったことを示している

 早稲田大学マニフェスト研究所は2010年度から全国地方議会に対し、情報公開など、改革がどのくらい進んでいるかをみる「議会改革度調査」を毎年実施しています。昨年6月公表の「議会改革度調査2015」は、全国47都道府県1718市町村のうち、1460議会が回答(回答率81.7%)。「情報共有」(本会議などの議事録や動画、政務活動費・視察結果の公開等)、「住民参加」(傍聴のしやすさ、議会報告会などの実施、住民意見の聴取等)、「議会機能強化」(議会本来の権限・能力を発揮するための機能強化状況等)の3つの観点で、計77項目の答えを点数化し、順位で表しました。
 その結果、都道府県議会ランキングでは、前回調査2014年度7位から順位を上げた兵庫県議会が1位になりました(情報共有3位、住民参加2位、機能参加3位)。2位は前回1位だった鳥取県議会(情報共有2位、住民参加6位、機能強化4位)、3位は前回17位から大きくランクアップした大阪府議会(情報共有1位※全地方議会ランキングも1位、住民参加11位、機能強化2位)です。以下、4位は三重県議会(前回調査2位)、5位京都府議会(同3位)、6位宮城県議会(同4位)といった、例年上位の“先進”地方議会が続きました。
 ちなみに下位となったのは、40位栃木県議会(同22位)、41位香川県議会(同39位)、42位沖縄県議会(同26位)、43位岡山県議会(同37位)44位福岡県議会(同34位)、45位和歌山県議会(同46位)、2015年度調査で最下位にあたる46位は山口県議会(同44位)となっています。(熊本県議会は震災等の影響により、回答未完了のため、結果から除外)

全地方議会トップは北海道の芽室町議会

早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2015」全地方議会の総合ランキングより上位100位まで掲載


 それでは基礎自治体である市町村議会を含めた全地方議会による総合ランキングはどのような結果になったでしょう。
 1位は、住民参加(全地方議会1位)、機能強化(同2位)など、各観点別ポイントが高かった北海道芽室町議会でした。芽室町議会は前回調査も高得点でトップになっています。2位は滋賀県大津市議会(前回調査18位)、3位が三重県四日市市議会(同3位)と、基礎自治体の議会が上位を占め、都道府県議会1位だった兵庫県議会は、この総合ランキング12位でした。
 また上位100位までに都道府県別で最も多くの自治体が入ったのは、兵庫県9団体でした。次いで京都府7団体、三重県6団体、北海道・大阪府・神奈川県・宮城県・愛知県各5団体などが続きます。100位までに1団体も入らなかったのが12県あり、地域でばらつきがみられます。
 総合ランキング調査結果は上位300位を公表していますが、都道府県議会で入っているのは、全地方議会296位だった愛媛県議会(都道府県ランキング26位)まで。議員定数・議会費予算など、最大規模の東京都議会は総合ランキング465位(同35位)にとどまっています。
 議会改革はどのようなときに進むのか。議会改革度調査2015の都道府県ランキングでトップとなった兵庫県は、調査前年にあたる2014年当時、県議だった野々村竜太郎氏の政務活動費の不正使用問題に端を発し、全県議の3割にあたる不適切な支出が明らかになるという問題に発展しました。その後、大きく改革が進行したケースです。
 また、先進地方議会に共通しているのが、片山善博・元鳥取県知事、橋下徹・元大阪府知事、北川正恭・元三重県知事、山田啓二・京都府知事、浅野史郎・元宮城県知事ら、改革を進める首長が登場した自治体という点です。首長と議会の適度な緊張関係が、結果として地方議会の改革も促すことになったとみられています。

各地方議会間で改革の差が拡大、議会改革は次のステージへ

 計6回を重ねた調査データの変遷からは、何を読み取ることができるでしょう。早稲田大学マニフェスト研究所の中村健事務局長は「全国の地方議会が2000年(地方分権一括法)以前と違う議会活動を始めているが、活動のスピードや強度で、活動のトップランナーをいく議会と、マイペースの議会でどんどん差が開いてきたように思う」といいます。
 加えて、動画配信や住民対話会を行うなど、形式要件を整え、議会活動に積極的なランキング上位の議会でも、住民からの支持・信頼を得ているか、という点では「必ずしもそうではない」と指摘します。
 「これまでは自分たち“議会のための改革”だったが、今後、本当に必要になるのは、何のために議会があって、何のために活動をするのか ── 、地方自治法で求められている住民福祉の向上と議会活動が連動しているものになっていない限り、議会の信頼性、議員への不信感払拭にはならない」。次のステージの改革へ移行できるかが、今後の課題とみています。

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