2014年8月7日木曜日

週末は市ヶ谷の法政大学で議員研修を受けてきました。

<さくら市議のfacebookより>

一度参加したいと思いながらいつも日程が合わず涙をのんでいた
「市民と議員の条例づくり交流会議」です。
今回のテーマは「議会で未来をつくれるか!?」

一日目はパネルディスカッション「行財政縮小時代に地域の未来をどうつくる?自治体の将来ビジョンをどのように選び、実現して行くのか」。
パネリストは、北海道大学名誉教授の神原勝先生、ローカルマニフェスト推進ネットワーク九州代表の神吉信之氏、東京財団の中尾修氏。コーディネーターは法政大学廣瀬克哉先生でした。
自治体の自治基本条例を絵に描いた餅にしないためには「議会基本条例」「総合計画条例」等の関連条例を整備して実効性を持たせるべきである、また総合計画のスパンは首長のマニフェストに合わせて4年が妥当との神原先生のお話に納得。さらに議会基本条例をお飾りにしないためには、1.市民と議会の双方向性の確立 2.長と議会の機関緊張の政治 3.議員間の政策討議の活性化が必要とのお話に、基本条例を制定して一安心している場合ではないなと痛感。(しかしハードルは高し・・)
夜は皆さんで交流会を持たれたようですが、KATOMOKOは久しぶりに実家に顔を出しに行きました。親孝行と言いながら、豪華お寿司をご馳走に(笑

2日目は「公共施設等総合管理計画 縮小時代の未来を市民・議会・行政でどうつくる?」をテーマにパネルディスカッション。
地方自治総合研究所の菅原敏夫氏、氷見市長の本川祐治郎氏、鶴ヶ島市長の藤縄 善朗氏、首都大学東京の饗庭伸先生からお話を聞きました。
市民との対話、WSを重ねて高校体育館を素晴らしい庁舎にリフォームした本川市長、土地区画整理の事業縮小を、丁寧な説明の上英断した藤縄市長、お二方の話を聞くと、行政と市民が直接やり取りした政策決定の道程に、議員の役割、議会の立ち位置が見えません。改めて両輪の一翼を担う合議体である議会の役割について、突き詰めて考える機会となりました。
午後は3つの分科会に分かれてのグループセッション。
A.「どうする!?議員間討議」
B.「やってよかった!議会報告会*行ってよかった!議会報告会」
C.「どうする!?わがまちの公共施設等総合管理計画」
KATOMOKOは悩んだ末「B」を選択。さくら市議会もこの9月に初めての議会報告会を予定しているので、報告会を始めてすでに10年選手の栗山町議会の皆さんを始め、諸先輩方からいろいろなノウハウを伺ってきました。
いろいろな刺激、学び、気づきを得た貴重な勉強会でした。実行委員の皆様、本当にお世話になりました、有難うございます。<(_ _)>

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2014年8月6日水曜日

注目される地方議会

<会津若松市議のブログより>

都議会の野次問題、兵庫県議会の政務活動費不正使用問題、青森県平川市議会議員の市長選にまつわる大量逮捕と地方議会に関わる「事件」が立て続いている。

そんなことで、NHK始め中央のマスコミから立て続けに取材を受けた。
マスコミがこれだけ地方議会に注目するのは、前述したことからだが、次のような話しをした。
不祥事を起こした議会もマスコミも、地方議会は国会と違って二元代表制である、という事の理解がない。
国会の真似をして与党、野党意識で、議会としてのまとまり感がないのが不祥事の原因と考える、と。
他会派の議員を落とし込める目的で野次を飛ばしたり、議会のテーマを持って政務調査すべきなのにそのルールがなかったり、議会の役割を認識せず市長候補に擦り寄ったり、これらは全て二元代表制の一翼である議会の役割を分かっていないからと思う。
マスコミも、一地方議会である都議会の選挙速報を参議院選挙の前哨戦として、与党側何議席、野党側何議席などと報道しているのがおかしいと指摘した。だから、国民も誤解する。
が、当の都議会議員は誤解してならないのに誤解したままのようだ。繰り返すが国会の真似をして。
都議会始め二元代表制の理解が薄い議会(大都市が多い傾向にある)は、議会としての固まり意識が弱く、従って議会改革もなかなか進まない。結果、住民からの信頼性も薄い。
この事に気付く議会が多くなれば、日本の民主主義の醸成に繋がると思う。
尚、「政治山」というポータルサイトに投稿した。
84日だか6日頃アップするとのこと。
議会改革「運動論」を、会津若松市議会の政策サイクルの仕組みなど紹介しながら書いた。


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2014年8月5日火曜日

性善説市役所はもはや崩壊しているのではないか?

<船橋市議のブログより>

【テーマ:船橋市の職員の皆様へ】
「久しぶり」になっちゃったブログです。読者の皆様申し訳ございませんでした。書こう書こうと思っても、変に肩書きが邪魔をしてくれます。
議長だから知り得た話とそうでない話との区別が非常に難しく、「そこの線引きだけはきちんとしなければ」となると、保育で起きている様々な問題に対する話や、総務系の何とも情けない話や教育委員会事務局が狂育委員会事務局であることなどまあ、枚挙に遑がないという感じではありますが、とりあえず「我慢」の毎日です。

さて本日のタイトルは、議長としての仕事をこなしていますと、「大人の社会科見学」が数多くあります。
先般も、JEFスチール株式会社東日本製鉄所千葉地区を視察させていただきました。素晴らしいの一言です。
The日本経済」という感じでした。千葉市がなぜ政令指定都市になり得たかをまざまざと見せつけられた感じがしました。
「間違い無く、明らかに日本経済の根幹とも言える、基幹産業の主要工場が立地することの重さというのは計り知れないな」と強く感じました。その存在もさることながら、その事業、業務の内容そのものの一端を視察させていただいただけで、驚愕の連続でした。

無事故で最高の利益を上げるのが企業の宿命とも言えますが、今回のブログで申し上げたいのは、「無事故」をどう続けるか。事故をなくすにはどうするべきか。を常に業務の中で考え、取り入れて行くか。万が一でもありえないとは思われることでさえ、事故想定をして業務に取組む姿勢がありました。

そして昨日、724日船橋市高瀬町のニチレイフーズ船橋第二工場を視察させていただきました。ここは、食品と言う人間の身体(口)に中に入れるものを製造する工場です。その事故防止策は、無人化に近いほど機械化された製造ラインの中でもすべてに考えられた「仕組み」が存在しました。そこには「性善説」など全く存在しません。そこの部分を考えると日本の伝統文化、精神文化、道徳観、倫理観などとは真逆の世界でもあり、日本社会で通用するのかという疑念さえも抱きそうになりました。が、しかし、一方の「社会」で求められていることは、それらを否定してまでも行わなければならない現実がある、ということです。

先般というかここのところ職員の方々と話をしていて、「いやいや私はこれこれこうですよ」という納得いく優等生のような回答が。いや、優等生なんですよ。普段の仕事ぶりからしておっしゃっていることはウソ偽りが無いでしょう。しかし、庁内全部の部課長さんがそうですか?あなたと同じことをやっていますか?そういう人材教育ができる体制になっていますか?突き詰めて行くと、そういう話になった時点で、「絶句」状態になります。

そうなんです。性善説に基づく人材育成のシステムが崩壊しているのです。冷静に考えればそのことを理解する部課長さんたちがたくさんいるのです。しかし、縦割り行政の最も悪いところが出ています。「私の担当ではない!」いやいや、「人を育てる」のは、総務部ではなく「各管理職」の最も重要な仕事です。まさか「事務分掌に書いてねえから俺たち知らねえ!」とか言わないですよね。

何が言いたいか?
「それくらい常識でしょう!」、「それくらいはわかっていると思いますよ」、「そんなことしないでしょう」、「そうは言わないでしょう」。
何度もそういう言葉を聞いたことがあります。

そうじゃないんです。「そうじゃない時代」になってきていることを敏感に感じ取らないと。そんなの少数派でしょ?そうです。少数派です。しかし、その少数派が事故原因になり得ることを前述の2工場は考え、その対策を講じているのです。一方で、私たちの市役所は、「仕方がない」という考え方を何事にも根底に据えています。「俺が直接原因者じゃないもん」。これだけ職員がいれば「仕方がないよ」なのです。
「そんなにガチガチに、キチキチに締め付けたら仕事なんてできないよ」とか、「世知辛い世の中ですね」とか皮肉を込めて言われそうです。

そうなんでしょうか?

上下関係において「あ」「うん」の呼吸がとれて、「言わずもがな」がきちんと部下につたわっているようなコミュニケーションがとれていれば、「事故はおこらない」と信じたい私がここにいるのも事実です。しかしこのブログを書きながらもさてさてどこまで性善説でいくべきかと悩む今日この頃です。

マイクロマネージメントという言葉があるそうです。最近知りました。
「自由」な「民主主義」が定着したこの国は、多様な価値観を認め、多様な倫理観が存在し、多様な道徳観さえも存在してるようです。そのことが正しいのか?違うような気がするのですが、昔からある倫理観、道徳観、価値観では、対応しきれない現実が存在していると思うのです。しかしながら、わたしのすぐそばの仕事の流れは昔のまま。昔の道徳観で、昔の倫理観で「あ」「うん」の呼吸が存在していることが前提の仕事の仕方なのです。

先般の不祥事の際も、「悪意を持ってやられたら防ぎ様もありません」と断言される方々がほとんど。前述の2工場は「悪意を持ってやられることも想定内」で工場の業務が進んでいます。

「悪意を持ってやられたら防ぎ様もありません」と言って、責任を逃れ、責任を転嫁し、決着させることって正しいことなのでしょうか?
振り返ってみてはいかがでしょうか?私は、猛省をし、振り返って、振り返って、考えています。船橋市役所で起こる不祥事は議会に責任は無いのか?もっと言えば議長の私に責任は無いのか?

これは大いにあると思います。

まず議会のチェック機能。チェック機能と一言で言いますが、「厳しい議会のチェック」が全く存在しません。
まず市長与党などと言って、「盲目的に」というか、まったくもって議員の職務を放棄している議員が確実に一定数存在していること。
「議員の仕事は「議会」に出席すること」だと思っている議員が確実に一定数存在していること。議員の仕事は、「議会が行われていないとき」こそ大切なのに、です。船橋市役所で言えば、そういうときに課長の席へ行き、部長の席へ行き、局長の席へ行き、「あなたたち、公務員の世界での思考はこうだね。だけど市民からの視点ではこういう見方もあるよ」を日常的に繰返し言わなければなりません。それが議会のチェック機能の一端であり、末端の職員にも議会の役割や立ち位置を知らしめる行動でもあるのです。

現在はそれが「皆無」でしょう。当選1回の議員がたまにやっているようですが、それはどちらかというと、自己顕示の行動にすぎないようです。残念ながら良い評判の当選1回議員の名前は聞こえてきません。謙虚さに欠けるようです。これは当選1回のみならず、当選2回のひよこちゃんも特に評判が悪いようですし、当選3回もまあ育っていませんから、どうしようもありません。あっ、これらの話はすべて共産党と公明党の議員は除きます。
そういうことを言っていても始まらないのですが、育てようにも「基礎学力」的勉強をしない議員が多すぎるのと、謙虚さに欠けて、もういきなり「自分は議員なんだから偉いし万能なんだ」的が議員がものすごく増えてきていますね。

ちょっと方向が外れてきましたので、一旦パソコンを閉じて続編を改めて書きます。


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2014年8月4日月曜日

定数「減らすべき」78%、報酬は64% 千歳市議会が市民アンケート

Doshin web(北海道新聞7/26)より>

 議会改革に取り組む千歳市議会は25日、市民アンケートの結果を議会運営委員会で公表した。議員定数や議員報酬について「減らした方が良い」という回答がともに大半を占める一方、記述式の意見では「多様な民意を反映させるためには一定の人数が必要」「報酬削減より、議員の質や人材を高めるべきだ」と安易な削減への慎重論もあった。
 アンケートは「ちとせ市議会だより」と一緒に全戸配布、4月下旬~6月上旬に郵送などで回答を得た。配布数4万3847枚に対し、回収枚数は318枚で回収率は0・73%だった。
 質問は6項目。現在の議員定数(25人)については「減らした方が良い」が78・9%を占めた。理由として「少数精鋭で質の高い議会を目指すべきだ」「議員の活動が見えてこない」「定数の根拠が分からない」などが挙がった。
 現状維持は15・4%、増員を求める声は1・9%で、「身近に議員がいれば、幅広く市民の声を聞き取れる」「多様な意見を議会に反映するために減員には反対」との意見もあった。
 議員報酬(月額38万5千円)は減額を求める声が64・5%。「一般社会人から見て高額」「報酬に見合う働きをしているか分からない」などと指摘した。一方、現状維持と増額を求める市民からは「報酬を減らすと優秀ななり手がいなくなる」「定数減の代わりに1人当たりの報酬を増やしては」との声も挙がった。
 議会運営委は、アンケートの低い回収率などを踏まえ「民意と完全に重ならない部分もある」としつつも、9月の定例会前後をめどに本格化させる定数や報酬議論の参考として活用する。また近く市議会ホームページでも結果を公開する。(斉藤千絵)  

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2014年8月3日日曜日

不適切発言に言論規制は議会改革へ逆行  新城市議会の対応に疑問

<武蔵野市議のブログより>

 愛知県新城市議会で、少子化対策として「婚姻届を出す夫婦に、穴の開いたコンドームを配ってはどうか」と本会議の一般質問した議員の発言と議会の対応が波紋を広げている。不祥事が続く地方議会。現状で安穏としていてはならない実例となりそうだ。
当初の問題となったのは、6月18日の本会議、一般質問で再質問のさい上記を発言した。理由は『堅いイメージのある市役所を明るくしてはという思い』(中日新聞2014718日)だったという。
 この発言を聞いた同じ議会の議員が自らのブログで記したことから多くの人が知ることになった。

 そして新城市議会が全員協議会を開催。問題の発言をした議員から謝罪があり、所属する委員会の委員長を辞任し責任を取る形となった。議会としての処分は、今後、政治倫理審査会を開き検討するという。

 このことだけであれば、これまでにもあった不適切発言の対応として、同列となるのかも知れない。議員辞職はしないとしているので、次の選挙で有権者が議員として適切なのかを判断することになる。

 最も問題なのは、この発言から議会としてブログなどの発言を規制するルールを作ろうとしていることだ。
 全員協議会で『「公職の立場にありながら、議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがか」「個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ」と発言。他の市議数人も同調し、ブログやツイッターで発信する際のルールを何らかの形で設けることを、長田氏を除く十七人の市議の間で賛成多数で申し合わせた】(中日新聞2014.07.24 朝刊)となってしまったことだ。

 当初の問題質問は議会での発言で議事録に残る公式な発言だ(おそらく議事録を削除するだろうが)。正式発言ではないヤジとは次元が異なる発言なのだ。
 自らの責任において発言したものであり、この発言に対して議会が不適切か否かを判断することは当然のことだが、公式の場で発言した事実を伝えるブログなどについて発信するルールを作ろうという発想自体が次元の違う大きな問題で、このことが、議会の不信感を招く本質の問題なのだ。

 それは、本当のことを伝えようとすると嫌がる議員が多い、伝わらないほうがいいと考える議員が多いということだ。おそらく、普段から自らの支援者に言っていることが違っていることが分かってしまうことで困ると考えているのだろう。

 当事者ではないので、新聞報道などで情報を知るのみだが、あえて書かせてもらう。
 事実と違うことを書いているのなら問題だが、公式発言を書くことのどこに問題があるのか。
 自らの主観を表に出してはならないとなると、議員はいったい何をするのだろう。議員を選挙で選ぶのは、その議員の主観、考え方が大きな判断材料になるはずだ。それも否定することになる。

■何をしているか分からない、いてもいなくても同じが地方議会か
 
 私が事務局長をしているローカルマニフェスト推進地方議員連盟と政治山とで地方議員についての印象などをインターネットで緊急アンケートを行った(※)。
 このなかの設問に「地方議員の印象」との項目があり、1位が「何をしているか分からない」(56.1%)。2位が「いてもいなくても同じだ」(34.9%)だった。
 このことを打破するために、武蔵野市議会をはじめ多くの地方議会では情報の公開や議会報告会などの議会改革を進めている。もし、規制をするとこの流れと逆行することになりそうだ。
 このようなことはあってはならない。議会の不信感がより深まるだけだ。地方議会全体として大きな懸念材料となったのは事実だろう。

※アンケート結果は、7月30日の「マニフェストサミット」で公表予定。回答数は約1000件。今回の図は速報値で先の議連定例会で示された資料から作成


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2014年8月2日土曜日

会津美里町が面白い

<宮代町議のブログより>

725日(金)
視察2日目・会津美里町
25日、宮代町議会一行12人は、議会基本条例など議会の活性化を進める福島県、会津美里町の議会を訪問しました。
ここは、宮代町同様「議会基本条例」を作って運用しているということで選んだ視察先なんだそうですが、私が「面白い!」と思えたのは、ひとえにキーパーソンの存在。
総花式に(あれも盛り込もう)(これもこの町ではやってきた)というものをちりばめた「議会基本条例」は、このところ流行りのようにどこの議会でも策地されてきた。全国1700自治体の半分地区に迫ろうとしている。
「議会基本条例」を一番最初に作った北海道栗山町議会の元議会事務局長の中尾氏は「全国で雨後の竹の子のように議会基本条例ができたが、栗山以上でも以下でもない。これぞというのはあまりない」と、言っている。
その通り。」作ればいいというものではない。議会のアクセサリーじゃないんだから、どう運用するか、その自治体ようにどう噛み砕いて使っていくか、にかかっている。今年、2月(だったかな)、我孫子市にきた中尾氏の話を久々に聞いて、私も同感したものだ。
中尾氏は、今は北海道の小さな町の元職員という立場でなく、東京財団つまり「構想日本」のブレーンが全国から集まる財団の研究員になっている。だから、ある意味、東京と北海道を行ったり来たりしているのでしょうが、
同じにおいのする人と出会えた
視察研修した、会津美里町の議会運営委員長は、この中尾氏のことをよく知っていて、昨年だったか、会津の町に中尾氏を招いて、議会改革、議会基本条例などの話を聞いたという。
あまり、期待していかなかった(失礼)私が、「むっ、面白い」とが目を輝かしたのはここからだ。中尾さんが、小さな町の、かなり意欲的な議会事務局長だから、ヘタな大学教授の胡散臭い話より、よほど面白く、示唆に満ちているのは、われわれ市民派議員たちは、(何回も栗山町仕様に接しているから)わかる。この委員長は、中尾氏をさっそく呼んだ。
(へーぇ、あの人を呼んじゃったのか、この議運委員長は)。その前には、バサリバサリと、合併直後の不安定な役場の行財政改革に切り込んじゃったらしい。
私は質問した。「栗山の中尾氏の話は何回か聞いた。栗山町(あの破たんした自治体・夕張市の隣)の議会改革がうまくいったのは、職員ともおもえぬ大胆改革派の中尾さんと、8年間という長期にわたって議長を務めた議員のタッグがあったからできた・。議運委員長は、行財政改革、議会改革をやったけど、いわば相棒というものがいたのか」と。
委員長「特にいなかった。思い切ってやること。それから、議員がよくわからないうちのほうがいい。議員は情報もなく、財政のことなどあまりわからない。少しわかっていたら抵抗勢力になっていた」と、大胆発言。ある意味で、この人、他の議員たちを肩書だけの能なしと言っているようにも聞こえてしまう。(大丈夫かな)
しかし、執行と「タイ」で向き合える議会に、変えようとして、今、結構うまくいっている。
それから、もう一人、女性の副委員長がいた。この人も歯に衣を着せない。「女性は、会派などに属するのは不得手。スリあわせで、なんとなく同意してしまうということができない。それで一人会派などやっていたが・・」などという。聞きようによっては、男性は組織が好きで「なぁなぁ」「シャンシャン」で決めることもある、と言っているようにも聞こえてしまう。
しかし、この女性のはつげんも、誰にも媚を売ってないでさっぱりしている。
それで、この町は「面白い!」と思ってしまった私でした。
研修が終わったあと、すぐ、女性議員のところへ飛んで行った。「私は無所属市民派ですけど、あなたは何かの党に入っているんですか」と聞くと、やっぱり?「いいえ、無所属です」と。やっぱりね。(同じにおいがした)
無所属の強みは妥協しないこと、広域で情報を仕入れることに抵抗がないことだ。「私、こういいう政策集団に入っているんでけど、よかったら一度来ませんか」なんて、誘ってみた。思った通り、フットワークのよさそうな、彼女、「はい、ぜひ、時間があえば行きたい」と。
おもしろい!もう一人、議運の委員長とも名刺交換。「宮代町は東洋大学のppp研究会で公共施設白書に取り組んだでしょ」という。「はい、それは町が取り組んだ中では、なかなかいい施策だったと思いますよ。あれ、153万かかったんですよ、でも高くないですよ、」と言ったら、「うん、高くない」と打てばひびく。
何所の議会も、こういったキーパーソンをうまく生かせれば、面白いことできるのに。
私は、あちこちで、同じにおいのする、オモシロ人間に出会うことが収穫だ。
さっそく、市民派の女性議員にメールを打った。「研修ではお世話になりました。無党派ならではのフットワーク、ネットワークで、シュンの情報を集めて行動しましょう」と。
市民派は、まったりと視察していない人が、実に多い。現場、地域の情報は、全国版のニュースより、レアであるし、使えるものなのだ。
※帰ってくるなり、地域の夏祭り、ボランティアと、家の掃除をする暇がない。ブログも荒削りですみません。おゆるしください。


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2014年8月1日金曜日

自由な言論を締め出す新城市議会のブログ規制

<松阪市議のブログより>

言論は自由に行われるべきものである。しかし、議員には議場で「品位」を保持するよう求めた条文が地方自治法にはある。

「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」(法第132条)

よって、少子化問題についての一般質問の最中、「婚姻届を出す夫婦に、穴の開いたコンドームを配ってはどうか」という下品な提案をした議員は、不適切な発言をしたとして懲罰の対象となり得る。

言ってしまったことに対しては、申し開きはできるものではないし、仲間の議員も弁護の余地はない。
議員政治倫理審査会で処分を検討するという。

しかし、この発言についての問題があらぬ方向に展開した。

24日付の中日新聞によれば、問題となった発言をした議員とは別の議員が、自身のブログで「本会議での品位に欠ける恥ずべき発言」と書き、議長などに適切な対応を求め、不適切な発言が問題となるきっかけをつくった。

しかし、問題をめぐって話し合われた全員協議会で、「公職の立場でありながら、議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがか」「個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ」などという意見が出されたことから採決をとり、ブログやツイッターで発信する際のルールをなんらかの形で設けることを申し合わせたというのだ。

議会内での発言に法に定めた以上の規制をかければ言論の府としての議会の地位をおとしめる。
では、議会が、議員個々の議会外の言論であるブログや、facebook、ツイッターなどのSNSの利活用に規制をかけたらどうなるのだろうか。
考えただけでゾッとする。

議会内での情報ツールの活用は、自由な言論活動の一翼を担う。
形が違うだけで、街頭や集会での演説や討論と同じ公共での「表現の自由」を担っている。
ブログやツイッター利用に議会独自のルールを設定しようということは、街頭や集会での自由な言論活動にも枠組みをはめようとするのとまったく同じことだ。
憲法第21条の集会・結社・表現の自由等の保障を侵すことになる。
新城市議会では、憲法違反の言論規制をしようというのか。

議会では、妙なところで、みんなに同じように機能の“ユニバーサル化”を図ろうとする傾向がある。
悪く言えば、「出る杭」は打とうとする。
みんなと同じ以上のことはするなということである。

インターネットの普及以前は、印刷物という紙媒体への“弾圧”があった。
インターネットの普及で、地方議員のあいだにも、自身の情報発信ツールとして、ブログや、facebookやツイッターなどのSNSの活用が広がると、こちらのほうの中身への“検閲”が起きる。
議員の間では、ネットを活用している議員とそうではない議員がいる。
しかし、当該の議会のことをブログ等に書いて、議会内で問題視されると、だれかが紙に印刷しそのコピーが議会内に出回る。
すると、「○○議員がこんなことを書いている。放置しておいてよいのか」という情報共有がなされる。
おそらく、わたしのブログの記事も、批判の対象となったことだろう。
そのような場合、無言の圧力が強まって来ることは議会内にいると肌で感じる。

それが抗議であればよい。書かれた側の論理として、自らに不都合なことであれば書いた側に抗議して是正を求める権利はある。

しかし、規制をかけてしまえという非文明的な議論に発展してしまってはいけない。
そうなってしまったのが、新城市議会である。

いったいどのようなルールを作ろうとしているのかがわからないが、「議会内の出来事や未決の事項を表に出してはいけない」という話になるのかもしれない。

社会には企業秘密があるが、議会にはそれがあってはならない。議会では非公開という場を、個人情報の流失のおそれがある場合を除いて設けない。
なぜなら、情報は議員のためにあるのではなく、公のためにあるのだから。
にもかかわらず、議員や議会の都合でくさいものにふたをしてしまうような情報の密室化があってはならない。

どのような基準なら良いかということではなく、基準を作ること自体が間違っている。
憲法が保障した国民の権利として重大な意義を持つ言論の自由にかかわることを、密室化を図りたい議員の都合でどうか侵すことのないよう、切に望む。


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