2014年8月16日土曜日

市民会議と参加感

<武蔵野市議のブログより>

 時間が短すぎる。一緒に作った感じがしない…、といった意見が8月7日に開催された武蔵野市第五期長期計画・調整計画の市民会議で出されていた。武蔵野市の長期計画は市民参加による策定が特徴だが、誰のために、で考え直す必要がありそうだ。

 市民会議はこの日が5回目の開催で最終日となる会議だった。主に報告書案について協議が行われていたが、会議の感想などの意見が述べられているときに、このような意見が市民会議委員から出されていた。
 議論になっていない。意見の羅列で言っているだけで話し合う時間がないとの意見もあった。
 また、この会議が何を期待されているか分からない。参加した委員の役割も分からないとの意見も出されていたが、この市民会議の、ある意味で象徴している言葉だったと思う。

 参加感という言葉は、参加して出した意見がすべて反映するとは思っていないが、意見がどのようになったのかのフィードバックがないと得られないといった発言の中にあったものだ。

 誰のため何のための会議なのかをはっきりさせないと、聞いただけといった行政のたんなるアリバイのためとなる危険性がある。市政全般について、五回の会議で意見を出すという設定に問題はなかったのかと思う。策定までの時間に余裕がないことは理解できるが、ならばスタートをより早くすることを考えるべきだろう。課題整理をする、課題ごと、テーマごとに意見をまとめるなどの市民会議のミッションも含めて次回までには整理が必要だ。

100人会議は失敗か

 市民会議では、現在の長期計画の前の計画となる第四期長期計画の調整会議で、約100名が委員となる市民会議が設置された。市長が交代した後ということもあり、市民の関心が非常に高かったことも背景にあるが、多くの市民同士による議論が時間をかけて行われていた。今回もなるべく多くの市民が参加できるような会議にすべきだったと思う。

 この点についても意見も出されていたが、デメリットがあったので現在の10名方式にした。100人委員会の発展系としてより多くの人が参加できる無作為抽出のワークショップを開催している。長期間の策定となると参加できる人が少なくなると市側からの返答があった。

 今回の会議は、行政側からも意見をだしているのが特徴で、このことは評価できる。他の委員会でも行ったほうがいいだろう。

 しかし、何がデメリットなのか明確な答はなかった。以前で、長期計画は市民全体の計画、武蔵野という団体のために計画とすべきと議会で質問したことがあるが、その時の答弁は、あくまでも行政計画というものだった。つまり、市役所のための計画となる。

 デメリットは市役所の手間が増える、余計な時間がかかるとしたら考え直すことが必要だ。市役所は誰のために仕事をするのかと考えれば、答えは明白だろう。市民が納得できる、あるは、参加感を持てるために開催をすべきなのだ。
 市民同士で議論し、事務も市民に担ってもらうこともできる。というよりも、そのための手順を考えて計画すべきなのだ。

 どうも、職員が全てをやってしまおうという習性が武蔵野市にはあるようで、このあたりも変えていくべきだと思う。

 市民参加の方式に正解はないとの発言もあったが、そのとおりだと思う。
 100人委員会を再度復活させるとしても、今回の10名の市民会議への応募が16名であったことを考えると、市民が無関心なのか、市政に問題がないのか。あるいは、広報の手法に問題がなかったのかの課題整理も必要だ。そのうえで、どのように参加感が得られるのか。そして、何のために、誰にためには明確にすること市民会議には求められている。
 市民参加そのものを考えさせられた最終回だった。

 市民会議の報告書は近く公表される予定。

【参考】
武蔵野市 第五期長期計画・調整計画 市民会議

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