2015年5月16日土曜日

会派結成や議会内人事について

<三鷹市議のブログより>

統一地方選組にとって、この5月という時期は会派結成があったり、その会派代表者による代表者会議があったり、議長や副議長を決める人事があったりと、忙しい日々が続きますね。ごくごく基本的なことなんですが、以外と見過ごしがちなこれらのことについて今回書いてみることにします。

当選したら、仕事仲間を選びます。もちろん1人でも構いません。この仕事仲間と作ったグループを「会派」と呼びます。仕事したい仲間を選ぶわけですから、もちろん仲間となる相手方と今後の話し合いをするでしょうね。首長提出議案にどう接するかなど話すことはあるでしょう。その結果、会派を結成するならば、それは当該議員個人の自由の範疇の問題であり、他の会派は自分が所属する会派以外の会派につき文句を言うのはおかしいですね。

我が家はこういう家だ、おたくの家はこうじゃなきゃおかしいといってるようなもんで、一戸建てにお住いの方に言われたらアパート暮らしの方は「はぁ?」となりますね。おたくはパンが好きと言ったじゃないか、毎朝パン食じゃないとおかしいと言われたら、「はぁ?たまにはご飯食べますけど」となりますね。

つまり、他の会派のあり方につきあーだこーだというのは、「大きなお世話」と反論されたら、もうどうしようもないのです。そりゃそうですよ。議員個人の自由の問題なのですから。

港区議会であったようですが、国政を参考にABが組むのはおかしいとか、よく言えたもんだと思います。自身の無知をひけらかすようなもんですね。恥ずかしくないのでしょうか?「大きなお世話」と言われたら、そこから先はないということにすら気づかないのは、どうかしていますね。

会派は実に様々です。自民党で2つ以上の会派があるところなんていくらでもあります。公明党で会派内で賛否で割れた事例すらあります。よく会派を組んでいるのに賛否がバラバラなのはおかしいとわけのわからんことを言う人がいますが、それは当該会派内自治の問題であり、他会派に言われたら「はぁ、そっすかー。」でおしまいですね。相手にする必要すらありません。こういうわけのわからん人はほっとけばいいのです。国政で、例えば民主党が賛否割れた場合に、おたくは民主党なんだから賛否が一緒じゃないとおかしいという人いますかね?

つまり、会派拘束という仮想を、党議拘束レベルと勘違いしているだけの低レベルな話なのです。

こういうわけですので、会派を組むのは自由自在です。一旦組んで重要案件に対処し、終了したら解散もありです。

港区議会では、人事目当ての会派結成との批判も飛んだようですね。これもわけわかりません。

地方自治法118条に答えがあります。人事というものは、基本は投票で決めるものなのです。特に2項が重要です。引用しておきましょう。

「議会は、議員中に異議がないときは、前項の選挙につき指名推選の方法を用いることができる。」

つまり、1人でも投票と主張したら、その瞬間に指名推選の線は消えてしまうのです。よく第一会派が議長、第二会派が副議長という例を見ますが、その慣例を守らないといけない必然性はありません。本会議場で「投票」と叫んだらそれでおしまいなのですから。

言い換えると、この条文からは、人事目当ての会派結成という理屈が完全に論理破綻していることになるわけです。いくら主張が違う議員どおしで大会派を組もうが、投票になったら数が多い方が勝つわけですから。

このように、投票が原則なのに、指名推選のあり方を誤解している例はよく見受けられます。会派結成のあり方とか、指名推選に対する誤解だとか、こういう基本的なことを理解しないまま、「おかしい!」と言われたら、冷静に「あなた、まず地方自治法読みましょうね」と言えばいいのです。言われた方は恥をかくことになるわけですから(笑)。

人事は所詮は力学の問題です。数が多い方が重要ポストを取るのは当然です。よく少数会派で役職を取れなかったとかそういう嘆きを見ますが、先ほど書いたように投票という原則を考えますと、負けて当たり前なのですから、それはしょうがないですね。もちろん役職欲しさに大会派の方にお願いするというのもありでしょうね。投票の際はうちをひとつよろしく、みたいな。それもそれでありなのです。

この時期は、とかく人事につき嘆きが聞こえてきますが、先ほど書いたように、投票が原則であるということ、及びそこからの当然の結論として数が多い方が勝つのは当然であるということ、この2点は踏まえておきたいですね。ここをわかっていれば、一歩引いて冷めた目で議会内人事の趨勢を見ることができますよ。

一番困るのは、投票が原則なのに、「すまん。うちはまだ候補が決まっとらん」というケースですね。これはもう話になりませんね。まぁ、こういうケースも先ほど書いたように、会派結成の自由から考えますと、候補者すら決められんのか、会派を割れ!ということは当然できません。ただただ待つしかないですね。こういう例はごくごく稀でしょうが、そういう場面に出くわしたら、「しょうがないなー。あと何時間待てばあそこの会派はまとまるんだ?」と待つしかありません。

このように、いろんなことが起きる時期でもあります。感情がぶつかり合うこともあります。こういうときだからこそ、地方自治法をじっくりと読んでみるのも良いかもですね。

大切なのは、役職につくことではなく、本会議ないし委員会の場できちんと質問をすることなのです。忘れたくないことですね。
http://ameblo.jp/handanobuaki/entry-12025894388.html

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