2016年3月26日土曜日

埼玉自民 知事の「発言封じ」 県議会委出席時間を大幅削減

<東京新聞より>

 開会中の埼玉県議会二月定例会で、上田清司知事が新年度予算案を審議する委員会に出席する時間が、大幅に減る異例の事態が生じようとしている。昨夏の知事選で対立候補を擁立して惨敗した最大会派の「自民党県議団」の提案で、審議の進め方が変更されたためだ。「選挙の遺恨」が予算審議にも影響した形で、識者からは「県民不在だ」との批判の声が上がっている。 (冨江直樹)
 昨年二月議会では、知事は予算を集中的に審議する予算特別委員会で、総括質疑の三日間(計十六時間半)に出席していた。だが、今議会では今月二十二日の一日(二時間半)だけになり、十四時間も削減された。その代わり県の部長クラスが答弁に立つ部局別の質疑が設けられた。
 こうした変更は昨年の十二月定例会で決定。その際、議会過半数を持つ自民は「(従来は)知事の答弁が長すぎた。部長に質問した方が細かく精査できる。県民のための議会改革だ」(小谷野五雄県議団長)と説明した。ただ、部局別の質疑は昨年まで各常任委員会で行われ、知事への質問機会だけが減った格好だ。
 民主や共産など四会派は「知事の発言をできるだけさせないようなルール変更は議会活性化と言えない」などと抗議声明を出したが、押し切られた。当の上田氏は、記者らに「部長より私の方がうまく答弁できるのに」と不満を漏らしていた。
 こうした対立の発端は、昨年八月の知事選。上田氏は自ら提案した「三選まで」という多選自粛条例を破って出馬した。自民は「条例軽視だ」と批判して別の候補を推薦したが、五十万票以上の差で上田氏が四選した。対立は半年以上たった今も続き、議会での「発言封じ」とも取れる動きにつながったとみられる。
 松本正生・埼玉大社会調査研究センター長は「議会には審議を通じて県の課題を社会に知らせる役割があり、審議の幅を自ら狭めるのは一種の責任放棄だ」と指摘。さらに「県民の関心が低いのをいいことに泥仕合をやっている。知事の側に問題はあったが、県民の審判が出て当選しており、『条例を破った知事を認めない』との対応はあり得ない。両者にはどう収拾させるかきちんと説明する責任がある」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032002000121.html

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