2014年10月12日日曜日

県議会改革 何もせず終わるのか


<信毎webより>


 県議会の一般質問がきのう始まった。
 

 まず県議がまとめて質問し、知事や部局長らが答弁する。県議は必要があれば再質問する。進行は従来通り。論点が分かりやすい「一問一答方式」は徹底されていない。知事らが議員に問い返すことができる「反問権」も見られない。
 

 一般質問に限らない。通年議会の導入、休日・夜間の議会開催、議員定数の削減、議員報酬の見直し…。現職県議が公約した議会改革は、全くと言っていいほど具体化していない。
 

 来春の県議選まで半年。各県議に聞きたい。改革は行わないまま任期を終えるのですか?
 

 2011年の県議選は、名古屋市と鹿児島県阿久根市の議会が住民投票によって解散し、地方議会の存在意義が厳しく問われた時期と重なった。当選した県議のほとんどが、政策立案力の向上、県民の声を聴く機会の拡充といった改革を訴えていた。
 

 県議会は、議会改革調査会や研究会を設けて話し合ってきた。けれど、定数問題は先送りし、報酬の見直しは県の審議会に委ねている。議会運営に関わる改革は一向に実現しない。
 

 9月の信濃毎日新聞の取材で、現職県議58人中28人が再立候補の意向を示した。意欲は良いとして、驚いたのは、大半の県議がこれまでの議会改革の取り組みを肯定的にとらえていることだ。成果もないのに認識が甘すぎる。
 

 特定秘密保護法の制定、集団的自衛権の行使容認、原発の再稼働をはじめ、国民の反対の声を顧みない安倍政権の強引さが目につく。有権者の思いをくみ、国政に反映を迫る地方議会の役割がより重要になっている。
 

 政府が重視する「地方創生」にしても、必要な施策は自治体の側で決めなければならない。
 

 地方議会に対する有権者の不信感は高まっているのではないか。東京都議会のセクハラやじ、政務活動費の使途疑惑で会見した兵庫県議の号泣、酔って航空機内で暴言を吐いた北海道議、飲酒運転の疑いで逮捕された千葉県議。不祥事が相次いでいる。
 

 議会改革は、県民との距離を縮め、県政への関心を深めてもらう手段であるはずだ。試してみて実効がなければ、何度でも改善を重ねればいい。
 

 県議会は今定例会中にも、議会改革の議論の経過と、今後の見通しを丁寧に県民に説明してほしい。なおざりにしては、地方議会不要論が再燃しかねない。


 

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