2014年10月24日金曜日

委員会視察~佐世保・長崎

<多摩市議のブログ>

 議会の秋は・・・視察の季節でもあります。だいたい6月下旬には視察調査先を決めて、調整をします。今回はいじめ問題に関して佐世保市、平和教育について長崎市に伺いました。ちょうど長崎県は国体開催中で、行きの飛行機では森元首相とご一緒でした。佐世保市、長崎市では揃いのジャージ姿の選手団なども見かけました。 

 佐世保市では「いのちを大切にする取組み」に力を入れて取り組んできたそうですが、中でも児童生徒理解システムという独自のシステムを開発しており、小学校入学から中学校卒業までの子どもたちの様子をデータベース化し、学校などでの情報共有の仕組みがありました。全小中学校が十分に活用しきれているとは言い切れない状況があるとの話も伺ったわけですが、教員異動の際の引継ぎ、小学校から中学校に進学する際の情報伝達という点でも有効だと言えそうです。教員アンケートでも、教職員間での児童生徒の情報共有や学年間での情報引継などで活用されており、また、自分のクラス以外の生徒児童の良さを知ることができること、小中の情報交換などに役立っているとの実感を持っているとの結果も出ています。

 このようなシステムの必要性は別にしても、この結果からわかることは「小中学校での情報交換」、「年度末の学年間でのスムーズな引継」などは意外と多摩市でも課題の一つになっているような気がしますね。特に、教員が異動してしまう場合などの対応はどうなっているのか?とか、もしくは同じ市内で子どもが転校する場合などはどうか?ということについても同様です。もちろん個人情報の問題もあるため、慎重に対応することは必要ですが、「情報を共有しておく」ことの重要性はありますね。単に子どもそれぞれの課題だけをあげつらうのではなく、子どもそれぞれの活躍ぶりなどもメモ的にデータとして記録保存し、また情報が不要になった時には削除消去できる仕組みになっているようでした。ちなみに中学を卒業するとそれまでの情報は全て消去されます。

 佐世保市では「いのちを見つめる強調月間」などの取組みにも力を入れてきたようですね。今夏の事件についてどう捉えているのかなど、なかなか突っ込んで伺うことはできなかったものの、これに対しては取組みのありかたなど再検証していくようです。いのちを見つめる強調月間そのものの取組みや児童生徒理解システムなども決して否定すべきものではないような気がしていて、問題はもっと別なところにあるような・・・そんな印象を受けています。また引き続き、今後の行方も気にしておきたいと考えています。

 そして、長崎市では平和教育。独自の副読本を作成したりなどやはり平和を学習する取組みは特徴的です。そこには歴史的な経緯があると思うわけですが、「平和」をどう学習できるのか、子どもたち自身が自分自身で学びを積み重ねていけるようになっている気がしました。原爆投下された89日は全校登校日になっていて、公立私立問わず、全ての学校で平和を願う集会などが行われているとのこと。長崎市議会事務局で対応して下さった職員さんによれば、「『89日』に学校に行くのは当たり前のことで、全国でそうなっていると思っていました。」とおっしゃっていました。子どもたちへの意識づけ、子どもたち自身が平和を発信できる力を育んでいこうとする取組み・・・教員自体にも戦争体験は無く、むしろ記憶の風化との闘いはありますね。被爆体験の語り部などが高齢者となっていき、減っていく時代に、今後どう語り継いでいくのか・・・記憶をつなぐ記録の作成がますます大事になります。

 平和公園は訪れる方々も多いですね。修学旅行の小学生などの姿もありました。またもう一度、子どもと訪れたい場所です。広島の資料館などにもまだ行けていないので、足を運びたいですね。多摩市では昨年から、広島市の平和記念式典への子ども達の派遣を実施していますが、事業の今後の展開をどう深められるのか考えたいものです。さて、今回の視察内容を、どう多摩市に活かしていけるのかはまだ未知数。


 

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