2014年6月23日月曜日

議会改革度、全国1800議会で上位27位(早稲田大学マニフェスト研究所調べ)にランキングされた松阪市議会

<松阪市議のブログより>

早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度調査2013ランキングで、松阪市議会が全国で上位27位にランクされました。2012年11月に議会基本条例を作ったことが評価されたのだと思います。
さて、わたしたちの議会基本条例には、政策討論会の実施を位置づけましたが、条例施行から1年半経過しても、実施例はゼロです。これまでに、計4件、開催を求めるテーマの提出がありましたが、いずれも議会運営委員会が開催を却下。実現に至っていないからです。
そこで、制度の見直しが始まりました。

松阪市議会基本条例
(政策討論会)
14条 市議会は、市政に関する重要な政策、課題等に対して、議員間の共通認識及び合意形成を図るため、政策討論会を開催する。
2 政策討論会に関し必要な事項は、別に定める。

政策討論会に関し必要な事項は、政策討論会実施要綱に定めてあって、「会派に所属しない議員にあっては、議長に議題を申し入れ、議長が議会運営委員会に提出する」「討論会の開催及び議題は、議会運営委員会において協議し決定する」とあります。

これまで、政策討論会の開催の申し出があった4件のすべてが、会派に入らない議員によるもので、うち、3回はわたしからの提案です。
つねに議運が、会派に持ち帰って各会派の意向を議運に反映し、多数決で「開催の必要なし」として政策討論会開催の求めを却下し続けています。

議会基本条例施行直後の2012年12月にわたしども4人の議員から提案した「歯と口腔の健康条例」に関して開催を求めた政策討論会に対して議運が政策討論会の開催を認めなかった理由は、「市政にとって重要な政策(議会基本条例第14条)とは言えない」というものでした。

松阪市議会では3人以上の連署があれば条例案すら提出するできますが、それを上回る数があっても、政策討論会が開催できないのです。
だいたい、議運が「市政にとって重要」かどうかをなぜ判断できるのか、判断してよいはずはありません。
そんな状態が続いたので、議会改革作業部会で現状をどうとらえ、制度をどう生かしていけばよいかを議論するため、再検討を始めました。

6月16日午前10時から始まった作業部会。
冒頭、上に書いたような観点から、「議案提出より高いハードルを設けるようなことはあってはならない」と、わたしのほうから口火を切りました。

そこから以下にような意見がありました。
植松泰之議員(真政クラブ=自民)
 「個人、政党の戦略や戦術のような提案にはハードルを高くせざるを得ない。政策討論会の前に、任意な会を作るなどして、(議会の中で)自然な盛り上がりが出るような下地づくりが必要」

松田俊介議員(市民民主クラブ=民主党・社民党)
「議運から会派に持ち帰って意見をもとに議運で決めるのは正当性がある。目立ちたいために提出するのはやめてほしい」

大平勇議員(真政クラブ=自民)
「自助努力(仲間づくり)が必要。公助(提案)はそのあと。」

川口保議員(市民民主クラブ=民主党・社民党)
「討論会に議員全員が引っ張り出されるのか。2つぐらいの会派から提案があるくらい、ハードルを高くする必要がある」

1つひとつにその都度、お答えしましたが、自分の発言はメモしていないのでその時点でどのように発言したかは書けません。
「政党の戦略や戦術のような提案」といわれましたが、歯と口腔の健康条例と、まちづくり基本条例、住民協議会条例、「おもてなし」条例の4件が政策討論会開催案件として提出されたものです。どこが「政党の戦略」?
「ハードルを高くする」という意見ですが、条例に基づいて正規に提出されてきた案件に議会運営委員会が価値判断を付けるのはおかしい。
会派という密室に持ち帰って、どのような議論が行われたかさえわからないような結論を出すべきではない。
「目立ちたい」ためにやっているのではない。せっかく、議会基本条例に位置づけられながら制度が活用されないので提案している。
「自然な盛り上がりが出るような下地づくり」「自助努力(仲間づくり)という意見もありましたが、なんのために議会基本条例に位置づけたかということを考えて欲しい。条例に位置づけた制度となることで、数の大小に関係なく、議員それぞれが実現を希望する政策を議会内で議論できる意義を認めたから条例に位置づける決意をしたのではなかったのだろうか。
政策過程を「私的(会派や意気投合する議員間の非公式的)」領域ではなく、「公(条例に基づく公的な議論)的」領域で議論する場が拡大するので議会の「見える」環境が進む状態となる。
議員間の政策的議論が少しでも多くなる議会にしたいと考えてのことなので「目立ちたい」ために提出しているわけではない。議員の仕事として目立つことは努力の成果として否定していませんが、中身の伴う提案であることは自負しているので言われる筋合いはない。

観点を変えてもらおうと、次のような提案をしました。
「政策討論会テーマを提出できる条件のハードルを上げようという議論(議案=条例案の提出より高いハードル)ではなく、政策討論会を開催できる選択肢を増やしてはどうですか。議会として議会報告会を年に2回開催していますが、そこで出された市民の意見を報告会後の班長会議で出し合い、その中から政策討論会の開催にふさわしいものを選ぶとか、新しい議長が就任するごと、議長がいくつか政策討論会の候補(テーマ)を出し、この中から議運で選んで欲しいと提案するとか、常任委員会や特別委員会でテーマを出し、政策討論会を開催することができるとか、選択肢を広げるようにすればいいではないか」。

これに対して、「論点が違う」といった異論があったので、「政策討論会を活用しようという議論が必要」と述べました。

全国約1800議会の中で上位27位にランキングされた松阪市議会のきょうの論議でした。


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