2018年2月2日金曜日

まちの価値観を事業者と共有することで魅力を高める。代官山視察から

<武蔵野市議のブログより>

まちが好きであること。反対ありきでなく、価値観が共有できるように提案をしていく。代官山のまちづくりの考え方はとても参加になった。
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 武蔵野市都市計画審議会で、代官山を視察させていただき、渋谷区の担当者と住民で組織する「代官山ステキなまちづくり協議会(代スキ会)」の方々からも話を伺わせていただいた。
IMG_0787■わがまちルールが魅力を高める

 いろいろな話を伺わせていただいたが、印象に残るのは、開発をする前に、住民と行政、事業者が協議することを定めた「わがまちルール」を持ち、住民が持つまちの魅力を開発事業者にも共有してもらい開発を行っていることだった。
 ルールというと細かな数字の羅列を思い浮かべてしまうが、事前の協議することという、かなりアバウトなものだ。ルールというより、マナーと言ったほうが分かりやすいかもしれないが、住民がこの地域が好きで、その価値観を開発事業者に提案し、同じ思い、仲間になってもらうように開発をする「ルール」であり、その結果がまちの魅力をより高めていると思えた。


 例えば、かつてあった同潤会アパートの跡地に開発された地域は、タワーマンションとショッピングモール、公共施設、公園が整備されているが、そこには、人が自由に移動できる空間と通路が整備されていた。これは、同潤会アパートの特色でもあったからだそうだ。

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 同じように以前から低層住宅街であった旧山手通り沿いに開発された「ヒルサイドテラス」は、建築家の槇文彦さんによるもので、高層にはせず住居と商業施設、オフィスが共存できるようにと考えられていたことなどだ。それまでの地域の特性や自然条件を活かすというルールに基づいた開発ともいえる。


■蔦屋図書館も同じ価値観で

 このような経過があったことから、これらの後に開発され、蔦屋書店があることで知られる「代官山T-SITE」も同じ価値観で開発されたという。開発事業者に、今までの価値観から要望を住民が伝えたところ、その要望に沿える事業者が選ばれ、現在の姿になったのだそうだ。

 時間がかかることや権利関係の調整などで、そう簡単に進まなかったと想像ができるが、なぜ、そのように住民の提案が受け入れられているか?
 最も気になるところだが、「私たちは反対運動をするのではない。同じ価値観を共有してもらい、仲間となってもらいたいから提案をしているだけ」と代スキ会の方々ははなされていた。ここにポイントがあるのだろう。



IMG_0806■まちが好き

 普段から勉強会を開催することやニュースを出して、まちの魅力を発信することで住民意識を継続させている努力が陰にあり、価値観を共有するという"想い"を続けることは並大抵のことではないことも同時に分かったが、そこには、まちが好きというシンプルな"想い"があり、行動に結びついていることが視察でひしひしと伝わってきた。

 建築家の方々が住むような土地柄ということもあるのかもしれないが、最初から反対運動ではなく、まちが好きで、まちの魅力をもっと高めたいとの"想い"を持つ住民が多かったからこそ、その熱意が伝わったからこそ今の代官山があるのではないか、と視察を終えて思えてならない。 

 このまちづくりの姿は、武蔵野市のこれからにも参考にしたい。


※写真は上から
蔦屋図書館のある「代官山T-SITE」
「代官山アドレス」
旧山手通り。大通りなのに低層住宅街となっている「ヒルサイドテラス」
住民が集まり学習ができるように集会施設もあった


http://blog.livedoor.jp/go_wild/archives/52511399.html

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