2014年9月5日金曜日

議会に出るだけで「費用弁償」なる第3の報酬がもらえる地方議員も!

<中央大学准教授のブログより>

「民間ではありえない地方議会の「第2、第3の報酬」」

東京都議会でのセクハラヤジに始まり、兵庫県議による政務活動費の不正利用疑惑など、その後も留まることなく立て続けに起きている地方議会を取り巻く様々な疑惑や事件、多くの有権者にとっては、政治に対する不信感が積もり、広がるばかりだと言えるのではないだろうか。
筆者自身、26歳で地方議員に当選し、全国400人を超える超党派議員からなる「全国若手市議会議員の会」の会長も務め、また、民間シンクタンク東京財団では、研究員として「地方議会改革」や「自治体のガバナンス」について研究してきた。こうした事もあってか、最近は、様々な所から地方議会について意見を聞かれる。
最近話題の地方議員の政務活動費については、全国800以上の市区のうち85%以上の自治体で交付されている。最も多くの自治体での交付月額は1~2万円未満であり、少ない自治体では1万円未満という所もある。自治体規模によって様々であり、全国13の政令指定都市では、月額30万円以上もが支払われている。
こうした政務活動費については、東京都議会などでは月額60万円にも上り、地方議員にとって実質的な「第2の報酬」として使われているのではないかという事などが問題視されている。
地方議会には、こうした政務活動費の他にも、「第3の報酬」とも言える「費用弁償」というものもある。
議会などに出席した際に、参加に必要な経費を保障するという仕組みであり、いまだに半数近い市区では、この「費用弁償」が支給されている。その額は、多くの市区で123千円未満だったので、政務活動費などと比べれば小額だ。しかし、それでも10日間本会議や委員会に参加すれば、この10倍の額になる。何より、議員としての報酬を別でもらいながら、議会活動を行った事で、費用が弁償されるという事が、二重報酬ではないかという指摘が聞こえてきそうだ。
今年に入ってからの地方議員に関する様々な不祥事によって、こうした政務活動費なども含めて、地方議会が内在してきた問題が明るみに出て、多くのみなさんが目の当たりにするキッカケになった。
こうした問題は、必ずしも議会の本質的な問題という訳ではない。しかし、多くの方々に、地方議会について知ってもらう、関心を持ってもらうキッカケになった事には、大きな意味があったのではないかと思う。
こうした政務活動費などについても、先日、『民間感覚では考えられない政務調査費はじめ地方議会のありえない報酬実態』と、コラムを書いた。興味のある方にはご覧いただければと思う。

「万年野党では、『全国地方議会評価』を9/15シンポジウムで公開予定」

こうした中、万年野党では、議員報酬や議員構成などについて、全国の地方議会の調査、評価をはじめた。
例えば、議員報酬の月額について調べてみると、都道府県で最も多いのが、東京都の1,022,000円。次いで、京都府の960,000円、埼玉県の927,000円。市区で見ると、最も多かったのは、神戸市の930,000円。次いで京都市の864,000円、札幌市の860,000円という事などが分かる。
こうして調べている今回の地方議会の調査について、915日に行う『万年野党第2回総会・政策シンポジウム』で公表する予定だ。
様々な問題で、ようやく注目が集まった地方議会。
しかし、その自体については、ほとんどデータもなく、それぞれが住む地域の地方議会がどうなっているのか、また全国の自治体がどうなっているのかと比較をしようにもそうした比較するための情報がないというのが現状だ。
今回は、その第1弾ではあるが、少しずつ情報を増やしながら、来年4月には統一地方選挙を控え、様々な地域で、それぞれの地域の議会や議員について考えるキッカケにしてもらいたいと思う。

「地方議員は政策的条例提案も審議もほとんどしていない」

筆者自身、地方議員だった事もあり、これまでも地方議会の実態については、様々なコラムを書いてきた。
例えば、最新のデータである2012年のデータを見ると、全国の地方議会における議案提出数は103,394件に上るが、うち91.2%にあたる94,316件は市長提案であり、議員提案はわずか8.8%9,078件しかない。
また、こうした数少ない議員提案の中身を見ると、そのうち60.0%は意見書案の提出であり、政策的条例案件は、わずか10.2%しかない。政策的条例提案だけが重要なわけではないが、全議案中の議員提案による政策的条例提案という形で見ると、その割合は、わずか0.130%という事になるのだ。
立法府としての議会における役割は、「条例提案」だけでなく、条例も含めた議案の採決にもあるわけだが、実際に市長提案94,316件の審議結果を見てみると、実にその99.1%にあたる93,428件は、修正などされる事もなく、原案がそのまま可決されているのが現実である。
もちろん否決や修正の数が多ければ多い程良いなどと単純化して言うつもりはないが、「行政監視」や「チェック機能」が議会のもう一方の役割であるという事を考えたならば、行政案を議会に提案される前に議論するという事前協議ではなく、二元代表の一翼として、議会の中で、議会としての修正を図っていく機能を強化して行く必要性もあるのではないだろうかと考えさせられる。
地方議会のこうした実態については、別に、『99.1%の原案がそのまま通過。地方議会の現実と役割~議員による政策的条例提案はわずか0.13%~』も書いているので、興味のある方は、こちらも読んでもらいたい。

「来年4月の統一地方選挙へ、国民が地元の議会を評価する仕組みの構築を」

「万年野党」では、これまでも紹介して来た様に、国会での活動の評価として、国会ごとに『国会議員三ツ星データブック』を発行している。
この最新版である6月に終えたばかりの2014年通常国会を対象とした『186国会版 国会議員三ツ星データブック』も915日の『万年野党第2回総会・政策シンポジウム』で先行配布を予定している。
こうした議会の監視について、国会の監視はもちろんだが、同時に公開する『全国地方議会評価』を1つのキッカケに、地方議会や地方議員の評価を、全国で、さらなる地方議会や地方議員の評価へと広がる取り組みにしていいければと思う。

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