2014年9月12日金曜日

新川達郎の「震災と議会 ~議会BCPの策定が始まる~

<議員力メールマガジンより 議員力検定協会>

地方自治体の議会でも、議会BCP(業務継続計画)の策定が進みはじめた。
議会機能は、いかなる災害に際しても、継続される必要があるし、被災しても可能なかぎり迅速に回復させるべきだという考え方が、ようやく芽生えはじめたともいえる。
すでに、筆者がお手伝いをさせていただいた滋賀県大津市議会をはじめ、大分市議会でも策定されている。
今回は、まず大分市議会のBCPをご紹介することにしたい。
というのも、大分市議会は、年4回の会期制をとっていて、一般的になじみやすい内容になっているように思えるからである。
なお、大津市議会は、条例による通年議会制とされているが、こちらについては、次回、ご紹介したい。
大分市議会では、市議会内に任意の組織として「大分市議会防災会議」を常設すること、そのなかに、議長、副議長、議会運営委員会の委員からなる運営会議を中心とする本部組織と、全議員を地区別に分けた地区組織を置くこととしている。
そして災害時には、この組織が、議長の判断によって、「大分市議会災害時対策会議」に移行する。
通常は、防災対策の検討や提案などを行うが、災害時には、市の災害対策本部と連携して災害情報を共有すること、災害情報を集約して伝達すること、救援、復旧、復興の協議と提言することを主たる任務とする。
本会議に復旧予算が提案される時期には終期を迎えることとされている。
議会閉会中の場合には、災害発生時に、災害対策会議を活用し、3役で議会運営委員会の開催可否、また定例会開催の可否、施設使用の可否などを協議する。
本会議開会中については、同様に、議会運営委員会の開催の可否、そして定例会の継続の可否を判断するという。
災害時の行動マニュアルも用意されており、議長の緊急登庁、事務局による議員安否の確認、災害時対策会議の設置、災害情報の収集と提供を行い、同時に議員からなる地区組織を動員して、地域の情報を収集して運営会議に報告することにしている。
災害時というのは、想定外の事態が当然であることから、さまざまなケースを想定しなければならない。
今後は、この仕組みが適切に機能するのかどうか、図上演習あるいは机上演習、防災訓練などを通じて検証し、さまざまな災害に対応できるものにブラッシュアップしていく必要がある。
これは大津市や大分市に続く各自治体議会でも同様の課題である。
とはいえ、まずはBCPを策定しておかなければ、はじまらないことも確かである。

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